作曲家、この一曲(ラ行~ワ行)

2009/10/10

ラヴェル ピアノ三重奏曲

近代フランスを代表する作曲家のひとりであるジョゼフ=モーリス・ラヴェル(1875~1937)は、母方がスペイン系の血を引くバスク人であり、作曲家として生きる彼のアイデンティティを形成する上において大きな拠り所となった。

Ravel2

作風は、同じ印象主義と呼ばれる作曲家であるドビュッシーの作品に比べ、より知性的でアルカイックな透明感が特徴である。

代表作としては、『ダフニスとクロエ』『ラ・ヴァルス』『ボレロ』などのバレエ音楽や2曲のピアノ協奏曲などがあり、「オーケストラの魔術師」と呼ばれた彼の卓越した管弦楽法を存分に堪能することができるが、室内楽曲やピアノ曲、歌曲の分野においても優れた仕事を数多く残している。

今回取り上げる『ピアノ三重奏曲イ短調』は、第1次世界大戦が勃発した1914年、トラック運転手として兵役に従事していた彼が、死と隣り合わせの戦地で書き上げた室内楽の傑作であり、4つの楽章にわたり、生まれ故郷であるバスク地方の民族的色彩やオリエンタリズムの横溢がきわめて美しい。

演奏時間はおよそ25分

【お薦め盤】
クララ・ボナルディ(Vn)、イヴァン・シフォリュー(Vc) 、ノエル・リー(Pf) (ACCORD)

Ravelcd


【追記】
名曲でもあり、数多くの演奏がyoutubeに掲載されています。
※お薦め盤とは、演奏が異なります。

2009/09/20

リード フェスティバル・プレリュード 

アメリカの作曲家・指揮者として活躍したアルフレッド・リード(1921~2005)は、生涯に200曲以上の吹奏楽作品を残した20世紀を代表する吹奏楽界の巨人である。

Reed

10歳でトランペットを、15歳の時には作曲を学び、第二次世界大戦では陸軍航空隊に所属し、バンドの副指揮者として活躍した。終戦後に、ジュリアード音楽院において再び作曲を学ぶ。
1966年にマイアミ大学の音楽学部の教授に就任し、同大学のウインドオーケストラを指揮するようになる前後から、世界を股にかけた活躍が始まる。

親日家としても知られ、1965年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲に、彼の『シンフォニック・プレリュード』が採用されたことから日本との関係が始まり、1981年の初来日以降、プロ・アマ問わず全国各地の吹奏楽団を指導するなど、日本の吹奏楽の発展に多大な功績を残した。

代表作には、『アルメニアン・ダンス(パート1)』や7曲の『吹奏楽組曲』などがあるが、今回紹介する『フェスティバル・プレリュード(音楽祭のプレリュード)』も、1957年に作曲された彼の最も知られた作品のひとつで、初演当時から人気が高く、1970年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲にも選ばれている。

曲は、高らかに奏されるファンファーレに始まり、3連符のシークエンスでクレッシェンドしていく部分は、いやが上にも聴く者の心を高揚させる。全曲を通して緩急のバランスが巧妙で、「ハレ」の気分あふれる傑作である。

日本の吹奏楽関係者の間では「音プレ」の愛称でも親しまれ、演奏会のオープニングでも、よく取り上げられる。

演奏時間はおよそ5分

【お薦め盤】
アルフレッド・リード指揮、東京佼成ウインドオーケストラ(佼成出版社)

Reedcd


【追記】
youtubeに音源が掲載されています。※演奏は異なります。

2009/07/25

ラター 子どもたちのミサ曲

ジョン・ラター※(1945~  )は、現代イギリスの作曲家で、合唱指揮者としても活躍している音楽家で、彼の作品は、その親しみやすい作風から、世界中の合唱団でさかんに取り上げられている。※日本では「ラッター」とも呼ばれる。

Rutter

ロンドンで生まれた彼は、幼いころから聖歌隊で教会音楽に親しみ、ケンブリッジ大学のクレア・カレッジで音楽を学び、卒業後は母校で教鞭を執る。合唱曲の他にも、(子どものための)歌劇やピアノ協奏曲、テレビ番組の音楽なども作曲しているが、作曲の中心は、やはり宗教合唱曲であろう。

明るく美しいメロディーやハーモニーを特徴とする彼の作品は、世界中で多くのファンを魅了しているが、今回取り上げる『子どもたちのミサ曲(Mass of the children)』は、2002年に作曲され、翌年にニューヨークのカーネギーホールで初演された独唱と合唱のための作品。

幼いころ、ブリテンの『戦争レクイエム』の世界初録音(作曲者自身の指揮による)に参加した彼は、児童合唱と大人の合唱を取り入れたその作風に感銘を受け、自分も同様のスタイルで、喜びにあふれたミサ曲を書きたいと思ったことがきっかけとなっている。

曲は通常のミサ曲の形式に従うが、児童合唱、時には独唱により英語によるテクストが挿入される。
特に第3曲「サンクトゥス&ベネディクトゥス」の管楽器とハープが奏でる3連符に乗って歌われる夢見るようなメロディーや終曲「ドナ・ノービス・パーチェム」の合唱の温かな響きはまるで彼岸を見るようでもあり、聴く者に忘れがたい印象を残す。

演奏時間はおよそ37分

【お薦め盤】
ティモシー・ブラウン指揮、クレア室内アンサンブル、ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊、ファーナム・ユース合唱団ほか(ナクソス)

Ruttercd


【追記】
youtubeにも数多くの映像が掲載されています。※この映像は、第3曲「サンクトゥス&ベネディクトゥス」です。


2008/10/14

レハール 喜歌劇『メリー・ウィドウ』

ヨハン・シュトラウス2世に続いて、オペレッタ(喜歌劇)の再興期(「銀の時代」と呼ばれる)をつくった代表的作曲家であるフランツ・レハール(1870~1948)は、オーストリア=ハンガリー帝国(現在のハンガリー)に生まれた。

Lehar

プラハ音楽院ではドヴォルザークらに学び、キャリアの初めころにはピアノソナタや交響詩などのオーケストラ曲も作曲したが、今日では取り上げられる機会は皆無といってよい。日本では、ワルツ『金と銀』がよく知られているが、彼の本領は何といってもオペレッタである。とりわけ1905年に、アン・デア・ウィーン劇場で初演された『メリー・ウィドウ(陽気な未亡人)』は、彼の代表作であるとともに、全オペレッタの傑作中の傑作といっても過言ではない。

内容はパリの社交界を舞台に、主人公である富豪の未亡人ハンナと、かつての恋人で大使書記官のダニロ伯爵、そして2人を取り巻く男女のドタバタ劇を描いた他愛もないコメディーだが、全3幕のあちらこちらに名曲がちりばめられていて、特に第2幕で、主人公によって歌われる「妖精ヴィリアの歌」は最高に美しい。

もちろん他にも陽気で楽しい気分を盛り上げる「女・女・女のマーチ」や「メリー・ウィドウのワルツ」としても知られる「唇は語らずとも」など、オペレッタを観る醍醐味を存分に堪能できる。

上演時間は、およそ2時間。

【お薦め盤】
ダグマル・シェレンベルガー(ハンナ役、Sop)、ロドニー・ギルフリー(ダニロ役、Br)
フランツ・ヴェルザー=メスト指揮&チューリヒ歌劇場管弦楽団&合唱団ほか(ARTHAUS)

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これは、2004年、スイス、チューリヒ歌劇場におけるライヴ収録で、とにかく豪華な舞台で美しい。特に女声陣は歌唱力のみならず衣装も容姿も魅力的で、目の保養にもなる。最後のカーテンコールでは、サプライズも用意されていて、これは観てのお楽しみだ!


【追記】
名ソプラノ、アンナ・モッフォによる「ヴィリアの歌」の名唱が、youtubeにアップされています。

2008/10/12

ラーション 田園組曲

ラース=エリック・ラーション※(1908~1986)は、現代スウェーデンの作曲家である。※「ラールソン」ともいう。

Larsson


ストックホルムの王立音楽アカデミーで学び、その後ウィーンやライプツィヒに留学。ウィーンでは、かのアルバン・ベルクにも師事している。初期のころは、後期ロマン派の流れを汲む作風を見せたが、やがて新古典主義や音列作法などを取り入れた作風に変化していった。

1937年から43年にかけて、スウェーデン放送の指揮者兼作曲家として活躍。その後、母校である王立音楽アカデミーの作曲科教授などを歴任した。

代表曲には、3曲の交響曲をはじめ、管弦楽曲『冬物語(作品18)』、『ヴァイオリン協奏曲(作品42)』や『12のコンチェルティーノ(作品45)』、カンタータ『偽りの神(作品24)』などがあるが、最もよく取り上げられるのは、1938年に作曲された管弦楽曲『田園組曲(作品19)』だろう。

曲は、「序曲」「ロマンス」「スケルツォ」の3つの曲で構成され、全編にわたり北欧のさわやかな空気感を感じさせる、親しみやすい曲調が素敵だ。

演奏時間はおよそ13分半

【お薦め盤】
エサ=ペッカ・サロネン指揮、スウェーデン放送交響楽団(SONY)

Larssoncd


【追記】
youtubeにも数多くの音源が掲載されています。

2008/08/09

ルーセル 交響的断片『蜘蛛の饗宴』

今回は、夏の暑い一日にふさわしい曲をご紹介。

近代フランスを代表する作曲家のひとりアルベール・ルーセル※(1869~1937)の管弦楽曲『蜘蛛の饗宴(作品17)』である。
※「ルセル」「ルセール」とも呼ばれることがある。

Roussel

25歳まで海軍中尉であったという作曲家としてはユニークな経歴を持つ彼は、1894年、健康上の理由で海軍を退役後、音楽の道を志すことを決意。パリのスコラ・カントルムでダンディに師事し才能を一気に開花させる。同校で作曲を学ぶ一方で、対位法を教えたという。彼の教え子にはサティやマルティヌーなどがいる。

4曲の交響曲をはじめ、数多くの室内楽作品や歌曲など、あらゆる分野において多くの作品を残しているが、特に広く知られているのは『バッカスとアリアーヌ』をはじめとするバレエ音楽であろう。

今回取り上げる『蜘蛛の饗宴』は、彼のバレエ音楽の1作目にあたる記念すべき作品。1912年末に作曲され、翌年にパリの芸術劇場で初演された。曲は、ファーブルの『昆虫記』をもとにジルベール・ドゥ・ヴォワザンが台本を書き上げた。この曲の初演は成功を収め、ルーセルはこのバレエ音楽を抜粋し「交響的断片」として7曲からなる組曲を編み上げた。

初期のルーセルは、ダンディやドビュッシーの影響を強く受けた作風を示していて、この作品も印象主義的傾向を示したデリケートなメロディーやハーモニーが印象的である。特に「前奏曲」や「夜のとばりがおりた寂しい庭」において奏でられるフルートの旋律は、夏の物憂い昼下がりを想起させるかのようだ。

演奏時間はおよそ17分

【お薦め盤】
ジョルジュ・プレートル指揮、フランス国立管弦楽団(EMI)

Rousselcd


【追記】
youtubeにトスカニーニの名演が掲載されました。(2011年7月加筆)

2007/10/14

ロイド=ウエッバー レクイエム

現代イギリスの作曲家アンドリュー・ロイド=ウェッバー(1948~  )は、『キャッツ』や『オペラ座の怪人』などのミュージカルで世界的に名を知られている。

ロンドンの音楽一家に生まれた彼は、はじめは歴史学を学ぶが、やがて音楽を志して王立音楽大学に進み、数々のミュージカル作品を手がけて成功を収める。人気作曲家の彼が、父親の死やカンボジアで発生した悲惨な殺人事件のニュースをきっかけにして、初めて宗教音楽を手がけたのが、この1985年に初演された『レクイエム』である。

僕は、かつてイギリスに旅したとき、本場ロンドンでミュージカル『スターライト・エクスプレス』に接して、その音楽の美しさに強い感銘を受けた経験がある。また、『キャッツ』の名曲「メモリー」は、僕にとって初の本格的なピアノ・レパートリーとなった思い出深い曲でもある。

曲は伝統的な形式に従い大きく8つの部分に分かれ、冒頭の「入祭唱」では、フルートの夢幻的な響きに導かれて歌われるボーイ・ソプラノの旋律からして、きわめて厳粛かつ本格的だ。

不思議な浮遊感を感じさせる旋律が印象的な「レコルダーレ(思い出したまえ)」やドラマティックな展開をみせる「オッフェルトリウム(奉献唱)」、ミュージカル作曲家の面目躍如たる「ホザンナ(救いたまえ)」など、聴きどころには事欠かないが、やはり圧倒的に心を惹(ひ)きつけられるのは、「ピエ・イエズ(安息を与えたまえ)」だろう。ソプラノのデュエットによって歌われるその天国的で浄化された美しさは、フォーレやデュリュフレの名曲にも引けをとらない。終曲のエンディングでは、オルガンが、この世の破滅を表すかのような不協和音を強奏し、冒頭のボーイ・ソプラノの旋律がリフレインされる中、消え入るように曲は閉じられる。

演奏時間は約40分。

現在までのところ、初演に先立ってアビイ・ロード・スタジオで録音されたマゼール盤しか発売されていない。名歌手を揃えたこのCDは、とりあえずは不足のない内容ではあるが、「ホザンナ」のロック調のリズムに合唱が乗り切れていないうらみがあるし、プラシド・ドミンゴの歌唱が、あまりにオペラ的で、違和感を覚えないわけではない。

すでに初演から四半世紀近くを経た今、そろそろ新しい録音の登場を望みたいのだが…。

【お薦め盤】
ロリン・マゼール指揮、イギリス室内管弦楽団、ウエストミンスター教会合唱団、プラシド・ドミンゴ(Ten)、サラ・ブライトマン(Sop)ほか (デッカ・ロンドン)

Lloydwebbercd


【追記】
youtubeでは、シャルロット・チャーチによる「ピエ・イエズ」の名唱が聴けます。


2007/09/22

リャプノフ  超絶技巧練習曲 

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したセルゲイ・ミハイロヴィチ・リャプノフ(1859~1924)は、バラキレフ門下のロシアの作曲家で、ピアニストや指揮者としても知られている。


Lyapunov


幼少期に母親からピアノの手ほどきを受け、1878年にモスクワ音楽院に入学し、ピアノと作曲を学ぶ。ピアノはリストの門下生であったクリンドヴォルドであり、リャプノフのリスト崇拝は、彼の影響によるところが大きい。また名教師セルゲイ・タネーエフの下で作曲を学ぶが、そこで国民楽派の作風に心酔し、音楽院を卒業した1884年に、「ロシア五人組」の指導者であったバラキレフに学ぶためにペテルブルクへ移る。

やがて、バラキレフ宅に身を寄せた彼は、晩年のバラキレフの忠実な助手として、働きながら作曲の指導を受ける。1893年には、ロシア地理学協会の依頼により、ロシア民謡の収集を行うが、これが彼の作曲に多大な影響を与えることになった。

1910年には、ペテルブルク音楽院の教授に就任するが、やがてロシア革命が勃発。革命後も音楽院教授の任に留まるも、1923年、パリに本拠を移し、ロシア移民のための音楽学校を開設するなど活躍を始めた矢先、翌1924年11月、心臓発作により突然の死を迎えることになった。

作曲家としての彼は、バラキレフら国民楽派の流れをくむ作品を数多く残していて、それぞれ2曲の交響曲、ピアノ協奏曲などが知られている。(バラキレフの『ピアノ協奏曲第2番』の補筆完成や、ピアノの名曲『イスラメイ』の管弦楽版編曲も有名である)

だが、リャプノフの最も得意とした分野はピアノ曲で、優れたピアニストとしても知られていた彼は、数多くの作品を残している。その中で彼の代表作とされているのが、1905年に完成された『超絶技巧練習曲(作品11)』である。

リストを深く尊敬していた彼は、リストの12曲からなる『超絶技巧練習曲』にならい、同じく12曲の曲集を作曲した。リストの使わなかった調性を使ってつくり上げられた曲の数々は誠に素晴らしい仕上がりで、とりわけ第10曲「レズギンカ」が有名だが、他にも叙情的な第5曲「夏の夜」や全曲中もっとも大規模な第12曲「フランツ・リスト追悼の悲歌」など、聴きどころ満載である。

演奏時間は全曲で約70分

下記のCDは1940年代のモノラル録音からの復刻版であり、新録音の登場を切に願っている。

【お薦め盤】
ルイス・ケントナー(パール)

Lyapunovcd


【追記】
youtubeにたくさんの音源が掲載されています。
※下記は第10曲「レズギンカ」です。

2006/01/15

レーガー 無伴奏ヴィオラ組曲第1番

ドイツの後期ロマン派の巨人であるマックス・レーガー(1873~1916)は、オペラ以外の分野できわめて膨大な作品を残した。
天才ではあるが、生来、生活習慣に問題があり、心筋梗塞により43歳の若さで亡くなったときは、飲酒・喫煙・暴飲暴食による肥満なども原因であるといわれた。

Reger

バッハやブラームスの古典派路線を踏襲しつつも、より複雑・難解・重厚な彼の音楽は、再評価が進んでいるといわれる今日でも、広く親しまれるまでには至っていない。
最もよく知られる作品が、モーツァルトの有名な『ピアノソナタイ長調(K.331)』の第1楽章の主題に基づくオーケストラ曲『モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ(作品132)』であることは、何とも皮肉なことである。

そんな中において、室内楽やオルガン曲の分野は比較的親しみやすい作品が多く、『クラリネット五重奏曲』や2曲の『セレナード』などは、演奏会で取り上げられる機会もある。

今回ご紹介する『無伴奏ヴィオラ組曲第1番(作品131d)』は、1915年、彼の晩年に作曲された3曲ある独奏ヴィオラのための組曲の1曲。
4つの楽章からなり、ヴィオラの機能を最大限に生かして、冒頭より、心の奥底をえぐるような厳しく劇的な音楽が展開される。
古今東西のヴィオラ奏者にとっては、欠くことのできないレパートリーとなっている。

演奏時間は約12分

【お薦め盤】
今井信子(BIS)

Reger_viola

【追記】
youtubeに名手バシュメットによる演奏があります。(2009年2月1日加筆)
※編曲版

2006/01/07

ロドリーゴ 交響詩『彼方なる世界を求めて』

現代スペインが生んだホキアン・ロドリーゴ・ビドレ(1901~1999)は、代表作であるギターと管弦楽のための『アランフェス協奏曲』の作曲家として、クラシック音楽界だけでなく、広く世界にその名を知られている。

Rodrigo

彼は3歳の時、ジフテリアにかかり失明。その後、ピアノやヴァイオリンを学び、パリのスコラ・カントルムでポール・デュカスに作曲を学ぶ。

1939年に作曲された『アランフェス協奏曲』の成功により、ギターのみならず、ピアノやヴァイオリンなど、世界中の著名な演奏家から同種の曲の委嘱が相次いだが、彼の本領は、あくまでもギターソロやピアノ曲にあったといってよい。

彼の曲は、故国スペインの民族音楽の要素を取り入れながらも、パリで学んだ色彩豊かで洗練された作風が大きな魅力となっているが、今回ご紹介する曲は、そうした管弦楽法の妙技が遺憾なく発揮された交響詩『彼方なる世界を求めて』である。

冒頭、シンバルによるロールの後に、コール・アングレやオーボエによる異国情緒あふれる動機が奏され、それがフルートに引き継がれ、夜の静寂のような雰囲気を表すが、やがて2分過ぎに突如として、弦楽合奏による雄大で輝かしいメインテーマが登場する。その後、静寂と喧噪の間が繰り返され、後半、大きく盛り上がりを見せるが、最後は再び静寂の中に帰ってゆく。

1976年、アメリカ合衆国独立200年を記念して作曲された曲で、彼のオーケストラ作品を代表する傑作として、強くお薦めしたい。

演奏時間は約14分

【お薦め盤】
エンリケ・バティス指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Brilliant)

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【追記】
音は少し歪んでいますが、youtubeに音源が掲載されました。(2010年3月29日加筆)


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