« スメタナ 祝典交響曲 | トップページ | フンパーディンク 夕べの祈り »

2008/05/03

アルベニス ピアノ協奏曲第1番(幻想的協奏曲)

イサーク・アルベニス(1860~1909)は、スペインが生んだ大作曲家であり、近代民族主義楽派の代表的存在である。

Albeniz

幼少期から天才ピアニストとして知られ、マドリード音楽院で学んだ後、その優れたピアノの腕前で世界各地を放浪したといわれる。その後、ライプツィヒ音楽院やブリュッセル音楽院で学んだとされるが、世界各地を演奏旅行で飛び回る日々であった。23歳で結婚した後、しばらくしてパリに移り、49歳で亡くなるまでフランスを本拠に活躍した。

彼は、歌劇や管弦楽曲なども若干数残しているが、作品の多くはピアノ曲で、最高傑作との呼び声高い組曲『イベリア』をはじめ、スペイン情緒豊かな印象主義的作風が特徴で、現在でも演奏会でよく取り上げられる。とりわけギター界では、なくてはならない存在であるが、彼自身はオリジナルのギター曲を作曲しておらず、あくまで後世の編曲である。それほど彼のピアノ曲は、ギターの奏法を彷彿(ほうふつ)とさせるものがある。

今回ご紹介するのは、『ピアノ協奏曲第1番イ短調(作品78)』で、1887年に初演された。全体は3つの楽章からできていて通常の協奏曲形式に従うが、第2楽章はアンダンテと、スケルツォに相当するプレストの2部で構成される。アルベニス特有の民族主義的要素は少なく、むしろシューマンやグリーグの協奏曲のようなロマン派風協奏曲となっていて、特に、第1楽章全般に漂うメランコリックな情緒は、大きな聴きどころである。

なおこの曲のオーケストラパートは長年行方不明となっていたが、1967年に発見され、再び演奏されるようになった。

フランス在住の名ピアニスト、チッコリーニの共感あふれる演奏を第一にお薦めする。

演奏時間は約25分

【お薦め盤】
アルド・チッコリーニ(Pf)、エンリケ・バティス指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Alfa)

Albenizcd


【追記】
youtubeに音源が掲載されました。(2013年8月18日加筆)

« スメタナ 祝典交響曲 | トップページ | フンパーディンク 夕べの祈り »

作曲家、この一曲(ア行~カ行)」カテゴリの記事

コメント

ご紹介ありがとうございます。お礼がおそくなりましたが、聴けば聴くほど名曲です。知られていないのが不思議、埋もれた名曲の多いこと、ピアノ協奏曲ではこのアルベニスを含め、バラキエフ、リャプノフ、カルロビッツ、アレンスキーが名曲です。ガッカリはタネーエフ、交響曲はいいけどピアノ協奏曲はピアノがなければいい曲なのに......秋の夜長アルベニスを聴いてのんびりしてます。

ご覧いただき、ありがとうございます。
お返事が遅くなり、申し訳ありません。
おっしゃるとおり、ピアノ協奏曲にも、隠れた名作が多いですよね。(カルロビッツの作品は知りませんでした。今度、探して聴いてみます)
このアルベニスは、ぜひ一度、実演で聴いてみたいものだと思っていますが…。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46318/49714743

この記事へのトラックバック一覧です: アルベニス ピアノ協奏曲第1番(幻想的協奏曲):

« スメタナ 祝典交響曲 | トップページ | フンパーディンク 夕べの祈り »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

Twitter

無料ブログはココログ

Amazon ウィジェット

  • ウィジェット