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2008/02/16

大澤壽人 ピアノ五重奏曲

近年、再評価が著しい大澤壽人(おおざわ・ひさと 1907~1953)は、貴志康一とともに関西が生んだ偉大な作曲家である。

神戸市で生まれた彼は、幼少期に宣教師などから音楽を学ぶ。関西学院中学部から同校高等商業学部に進み、在学中はピアノ・男声合唱に親しむとともに作曲を手がける。

1930年に同校を卒業し、渡米。ボストン大学やニューイングランド音楽学校でピアノや作曲の研鑽を積むと同時に、ボストン交響楽団などを指揮し自作を発表。その後、フランスに渡り、エコールノルマル音楽院でポール・デュカスやナディア・ブーランジェに師事し、『交響曲第2番』などの作品を発表し高い評価を得るなど、八面六臂の活躍をした。

1936年に帰国し、神戸女学院で教鞭を執る傍ら、ジャズやセミ・クラシック系の音楽や劇伴などの分野で活躍したが、脳溢血のため46歳の若さで急逝した。

彼の作風は、留学先のアメリカやフランスで培った、モダンなハーモニーや洗練された管弦楽法の中にも、日本的な要素が、ほのかに感じられるのが特徴であり、他に替え難い魅力となっている。

今回ご紹介する『ピアノ五重奏曲』は、1933年、ボストン留学時代に作曲・初演された3つの楽章からなる作品で、全編にわたり、メロディに4分音が巧みに取り入れられていて、その独特の響きは、雅楽や浄瑠璃など日本の伝統音楽を連想させる。まだ20歳代半ばであった作曲家の意欲作である。

なお彼には、他にも代表作とされる『交響曲第3番』や『ピアノ協奏曲第2番』などがCD化されているので、ぜひ一度、お聴きいただきたい。

演奏時間はおよそ32分

【お薦め盤】
藤井由美(Pf)、マイ・ハート弦楽四重奏団(HM.taso)

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