« モーラン ヴァイオリン協奏曲 | トップページ | バラキレフ イスラメイ(東洋風幻想曲) »

2007/09/08

バーバー ノックスヴィル、1915年の夏

名作『弦楽のためのアダージョ(作品11)』により、世界的に広く知られている現代アメリカの作曲家サミュエル・バーバー(1901~1981)は、「新ロマン主義」とも呼ばれる美しい旋律と和声の中に、アメリカの叙情が仄(ほの)かにただよう作風が特徴で、自国で最も愛される音楽家のひとりとなっている。

Barber

彼は生涯で、オペラから管弦楽曲、ピアノ曲、声楽曲など、あらゆる分野において数多くの傑作を残しているが、今回、ぜひご紹介したいのは、独唱ソプラノと管弦楽のための『ノックスヴィル、1915年の夏(作品24)』である。

この愛すべき佳作は、ソプラノ歌手エレノア・スティーバー(1914~1990)の依頼により1947年に作曲され、翌年、ボストンで初演された。劇作家ジェームズ・エイジー(1909~1955)のピュリッツァー賞受賞作である散文詩『ある家族の死(A Death in the Family)』のテクストに基づく。

曲はソプラノが、次のように静かに語り始める。

It has become that time of evening
when people sit on their porches,
rocking gently and talking gently
and watching the street
and the standing up into their sphere
of possession of the trees,
of birds hung havens, hangars...

夕刻になった
人々は家のポーチに座り
緩やかにロッキングチェアを揺らし、静かに語らい
通りを、小鳥が木立に飛んでいくのを眺めるのだ・・・
(以下、続く)


テネシー州の小都市ノックスヴィルにおける子供時代の幸福な思い出を、まるでシルクの肌触りを思わせるオーケストラの合奏にのせてソプラノが歌い上げる。古きよきアメリカの夕暮れの田園風景が目の前に広がるような、限りなく美しい音の織物である。

演奏時間はおよそ17分

【お薦め盤】
カリーナ・ゴーヴィン(Sop)、マリン・オールソップ指揮、ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団(ナクソス)

Barbercd


【追記】
名曲ですので、youtubeにも多くの演奏が掲載されています。(2009年10月加筆、2012年7月8日修正)


« モーラン ヴァイオリン協奏曲 | トップページ | バラキレフ イスラメイ(東洋風幻想曲) »

作曲家、この一曲(ナ行~ハ行)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46318/50795363

この記事へのトラックバック一覧です: バーバー ノックスヴィル、1915年の夏:

« モーラン ヴァイオリン協奏曲 | トップページ | バラキレフ イスラメイ(東洋風幻想曲) »

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

Twitter

無料ブログはココログ

Amazon ウィジェット

  • ウィジェット