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2007/08/25

ドホナーニ 組曲嬰ヘ短調

ハンガリーの作曲家エルンスト・フォン・ドホナーニ(1877~1960)は、バルトークやコダーイらとともに、近代ハンガリーの音楽界を牽引した人物である。また教育者として、名指揮者となったフリッチャイやショルティ、名ピアニストのアンダやフィッシャーらを育てた。なお現在、指揮者として世界的に活躍しているクリストフ・フォン・ドホナーニは彼の孫にあたる。

Dohnanyi

幼いころより父から音楽の手ほどきを受け、ブダペスト音楽アカデミー(現在のリスト音楽院)に入学し、ピアノと作曲を学ぶ。ピアニストとして名声を得るとともに、ベルリン高等音楽学校や母校のブダペスト音楽アカデミーで教鞭をとる。

1949年、アメリカに移住するが、これは祖国ハンガリーが第2次世界大戦後、ソビエト共産圏に飲み込まれていく中で、祖国に居場所をなくしたためと言われている。

作曲家としては、あらゆる分野で数多くの作品を残していて、演奏会では室内楽作品が比較的よく取り上げられる。ただ、バルトークのように民族色を強く打ち出すことなく、後期ロマン派、とりわけブラームスの影響を色濃く残し、オリジナリティの点からみれば自己主張が弱いとも感じられる。それがドホナーニの音楽の美点でもあり、親しみやすさでもある。

今回取り上げた管弦楽のための『組曲嬰ヘ短調(作品19)』も、ブラームスやドヴォルザークの影響を色濃く残した作品である。
誤解を恐れずに言えば、第1楽章がブラームスのセレナード風、第2楽章がドヴォルザークのスケルツォ風、第3楽章の中間部はロシア国民楽派風、第4楽章の中間部はスペイン風と、まるでヨーロッパ各地の紀行文のような趣(おもむき)を持っている。

聴く者の心を温かくするリリカルな魅力にあふれた作品であり、もっと広く知られてほしいと思う。

演奏時間はおよそ29分

【お薦め盤】
マティアス・バーメルト指揮、BBC交響楽団(シャンドス)

Dohnanyicd


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