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2007年5月

2007/05/04

坂本龍一の「コーダ」

ポップスやクラシックなど、ジャンルの垣根を超えて活躍する「世界のサカモト」こと坂本龍一(さかもと・りゅういち、1952~  )については、今さら改めて経歴を述べるまでもないが、作曲家としてだけでなく、ピアニスト、音楽プロデューサーとして、また近年は、環境問題や反戦・平和活動にも傾倒し、そのマルチな活躍ぶりは海外でも大きく注目されている。

僕にとっては、やはりY.M.O時代の華々しい活躍の印象が大きいが、それ以上に衝撃的だったのは、映画『戦場のメリークリスマス』や『ラスト・エンペラー』の音楽の素晴らしさで、そのリリカルでオリエンタルな音楽に感動し、とりわけ『戦場のメリークリスマス』の音楽については、彼自身がピアノで演奏したカセットブック)「Avec Piano(アヴェック・ピアノ)」(K・I・C思索社)やピアノ譜(やのミュージックほか)を購入し、その音楽の魅力や完成度に強い感銘を受けたことを覚えている。

Sakamotoboo_2

曲はよく知られたメインテーマ「メリークリスマス・ミスターローレンス」をはじめ、全部で14曲で構成される。
オリジナル曲はシンセサイザーが主体で演奏されるが、ピアノ演奏用にリダクションされたこれらの曲は、まるでムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』のように、1曲1曲が個性的であると同時に、全体としてまとまりを有しているところが素晴らしい。

ミニマル・ミュージックやラヴェルなどの影響が顕著なこの作品は、いずれも魅力的な曲ばかりだが、特に第12曲「Sowing the seed(種を蒔く)」で、クラスター和音による一撃に続いて、第1曲のテーマのバリエーションがフォルティッシモで奏される場面はきわめて感動的だ。

これらの作品は新たに2曲が加えられ、アルバム「Coda(コーダ)」として1983年にCD発売されているが、ライナーノーツで作曲者自身が述べているように、「戦メリの坂本龍一」に別れを告げ、新たな第1歩を踏み出そうとする決意が、このアルバムの題名にも表れている。

彼の卓越した才能とジャンルを超えた活躍は、それ以降のミュージックシーンに、きわめて大きな影響を与えたことは間違いない。

【お薦め盤】
Coda 坂本龍一

Sakamotocd


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