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2006/08/13

マスネ 管弦楽組曲第7番「アルザスの風景」

『タイスの瞑想曲』で有名なジュール・エミール・フレデリック・マスネ(1842~1912)は、近代フランスを代表する作曲家のひとりであり、彼の作品は生前、主にオペラを中心として大変好評を博した。

Massenet

1878年から、パリ国立高等音楽院の教授となり、ピエルネやシャルパンティエ、アーンなど優れた人材を育てたが、フランクやダンディを中心とした国民音楽協会からは保守派のレッテルを貼られ、鋭い批判の的ともなっていた。

代表作は、『マノン』や『ル=シッド』、『ウェルテル』などのオペラのほかに、管弦楽曲やピアノ曲、歌曲など幅広い分野で数多くの作品を残しているが、ワーグナーの影響を受けつつも、フランスの洒脱さが適度にブレンドされ、非常に聴きやすい音楽が特徴となっている。

彼は管弦楽作品にも力を注いでいて(交響曲が残されていないのは残念だが・・・)、その中核を成すのは7曲の『管弦楽組曲』である。今回取り上げる『管弦楽組曲第7番』は、1881年に作曲された最後の作品で、最も人気の高い作品である。「アルザスの風景」という表題を持つが、マスネが普仏戦争に従軍した際にアルザスに駐留した経験や小説家アルフォンス・ドーデの『月曜物語』からインスピレーションを得たことに由来する。

全体は次の4つの曲で構成される。

第1曲「日曜の朝」
冒頭よりフルートとクラリネットを中心に、日曜日の静かですがすがしい朝の情景が描かれる。曲の半ばにさしかかると教会から流れ聞こえる賛美歌「目覚めよと呼ぶ声あり」が奏でられ、弦楽器などが加わり盛り上がりをみせるが、やがて最初の静寂の中に消えてゆく。

第2曲「酒場で」
田舎の酒場における喧騒を描いた曲。ティンパニのリズムに導かれ、突如、全楽器によるフォルティッシモで荒々しいワルツ主題が奏される。中間部では狩のファンファーレを表す4本のホルンが、オーケストラと掛け合いを演じる。後半ワルツ主題が戻ってくる時の転調(変ホ長調→ト長調)は、ハッとするほど効果的だ。

第3曲「菩提樹の下で」
夏の午後、村はずれの菩提樹の下で、愛を語り合う恋人たちを描く。冒頭、鐘が6時を打ち、ヴァイオリンの伴奏にのって、チェロ(男)とクラリネット(女)のソロが美しいデュエットを奏でる。

第4曲「日曜の夕方」
夕刻の広場の喧騒を表す。アルザス地方の民謡を用いた舞曲を中心に曲が展開する。途中、帰営ラッパの音が聞こえ、第2曲の酒場のワルツも加わり、圧倒的な盛り上がりの中、劇的に曲は閉じられる。

目の前に情景が浮かぶようなメロディーの数々、華麗なオーケストレーションなど、マスネの音楽の魅力が存分に味わえる名曲である。

演奏時間はおよそ23分

【お薦め盤】
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団(エラート)

Massenetcd

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