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2006/08/20

カバレフスキー チェロ協奏曲第2番

ドミートリイ・ボリーソヴィチ・カバレフスキー(1904~1987)は、ソ連時代のロシアにおいて主に教育用音楽の分野で活躍した作曲家として知られている。

Kabakevskij

現在のサンクトぺテルブルクに生まれた彼は、モスクワ音楽院でミャスコフスキーらに師事。在学中から共産党政権が掲げる芸術の大衆化をめざす「学生作曲家創造集団(通称:プロコル)」に所属し、その後も、生涯一貫して社会主義リアリズムの原則に従った分かりやすい音楽を作曲した。特に、青少年のための作品を数多く作曲した。

ショスタコーヴィチやプロコフィエフらが共産党政権から批判を受け、何度も危機的な局面に陥る中、数々の要職を歴任したその生涯を、権力側におもねった(日和った)音楽家と批判する向きもあるが、困難な時代にあって、自分自身の使命を、彼なりに全うしようとした結果であるとも考えられ、残された作品の質の高さを見れば、その業績は決して見過ごすことはできないであろう。

代表作といえば、組曲『道化師(作品26)』が真っ先に挙げられるが、歌劇や交響曲(4曲)、協奏曲、ピアノ曲などにも注目すべき作品があり、今回取り上げる『チェロ協奏曲第2番ハ短調(作品77)』もそうした傑作のひとつ。

この協奏曲は、ソ連の名チェリストであったダニール・シャフランのために1964年に作曲された。全体は3つの楽章から構成されるが、楽章間にはカデンツァが置かれ、すべてがアタッカで演奏されてゆく。

第1楽章冒頭、独奏チェロがピチカートで奏する重苦しい主題に始まり、やがてエネルジーコ(情熱的に)と指示された技巧的なアレグロが続く。カデンツァからサクソフォーンで開始される第2楽章への流れも独創的で、この曲の大きな聴きどころとなっている。第3楽章フィナーレでは、第1楽章の主題が再現しクライマックスを築くが、やがて波が引いていくかのように静かに閉じられる。

演奏時間は約30分

イギリス生まれのロシア系チェリスト、イッサーリスの演奏は繊細かつ大胆で、文句なしに素晴らしい。

【お薦め盤】
スティーブン・イッサーリス(Vc)、アンドリュー・リットン指揮、ロンドン・フィルハーモニック(ヴァージン)

Kabalevskycd


【追記】
youtube掲載の映像も、ぜひご覧ください。

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