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2006/07/16

ミヨー スカラムーシュ

第1次世界大戦後のフランスの音楽界で活躍したダリウス・ミヨー(1892~1974)は、あらゆる分野において、膨大な作品を残した稀に見る多作家として知られている。

Milhaud

パリ音楽院でヴァイオリンや作曲、指揮などを学ぶ中で、ドビュッシーやラヴェルに傾倒する。1917年から翌年にかけて、音楽院時代の友人であった詩人ポール・クローデルがブラジル大使へ赴任する際、外交官秘書として随行した。そこでブラジル音楽に魅了され、その影響の下にバレエ音楽『屋根の上の牛』などの名曲が生まれることになる。

帰国後は、オネゲルやプーランクらとともに、後に「フランス6人組」と呼ばれる作曲家集団をつくり、ロマン派や印象派の音楽とは異なる、即物的・新古典的な作品の創造に取り組んだ。

このころから彼は、映画音楽や劇音楽の作曲にも熱心に取り組み、今回ご紹介する2台のピアノのための組曲『スカラムーシュ(作品165b)』も、当時、人気女流ピアニストであったイダ・ヤンケレヴィッチとマルセル・メイエから、1937年のパリ万国博覧会で演奏するための作品を委嘱されたことを機に、つくられたものである。

当初、ミヨーはこの依頼に乗り気ではなく、モリエール原作による劇のための付随音楽『空とぶお医者さん(作品165a)』の旋律をつなぎ合わせただけのつもりだったらしい。しかし、思いもよらず好評を博すことになり、現在に至るまで、ミヨーの最もポピュラーな人気曲として、好んで演奏されている。

全部で3曲からなり、第1曲「ヴィフ(輝かしく、活発に)」は、冒頭から軽快なリズムに乗って華やかなメロディーを奏でる。主旋律が2台のピアノをめまぐるしく行き交うところが聴きどころ。続く第2曲「モデレ(中庸の速度で)」は、第1ピアノの旋律を第2ピアノが応答しながら穏やかに曲が進む。第3曲は「ブラジルの女」と題された陽気なフィナーレ。サンバの特徴的なリズムによるグルーヴ感が楽しい。

演奏時間は約9分

【お薦め盤】
カティア&マリエル・ラベック(フィリップス)

Milhaudcd_2


【追記】
何と、youtubeにアルゲリッチとキーシンによる「超名演」が掲載されています。(2011年3月加筆)

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