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2006/01/08

冨田勲 「新日本紀行」オープニングテーマ

今回は、冨田勲(とみた・いさお、1932~    )について記してみたい。


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彼について、詳細な説明は不要だろう。慶應義塾大学を卒業後、テレビ番組、特に手塚治虫のアニメ『ジャングル大帝』や『リボンの騎士』、NHKの大河ドラマ『花の生涯』や『勝海舟』などの音楽を担当して知られているが、1974年にムーグ・シンセサイザーでドビュッシーの名曲を演奏したアルバム(LPレコード)『月の光』がグラミー賞にノミネートされ、以降、クラシック音楽の名曲の数々を編曲・演奏したが評判を呼び、大ベストセラーとなった。日本におけるシンセサイザー音楽の先駆者といっても過言ではないだろう。

特に第1弾となったこの『月の光』に収められている『アラベスク第1番』の清冽で幻想的な響きを知らない人は、おそらくいないのではないか。

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また1984年、ドナウ川河畔を皮切りに、「サウンドクラウド(音の雲)」という立体音響による野外パフォーマンスを世界各地で繰り広げ、大きな話題を呼んだ。近年も、彼自身の作曲による『源氏物語』を発表するなど、新たな音楽・音響の世界を模索し続けている。

僕にとっては、もちろん上記の『月の光』や『惑星』などの作品の数々も忘れがたいが、ここでは、NHKテレビのドキュメンタリー番組『新日本紀行』のテーマを取り上げたい。

1963年から1969年まで同番組で使用された曲で、冒頭のホルンの導入部に続いて弦楽器で奏されるメインテーマは「君が代」のメロディーをベースに作曲されているといわれる。終戦後、作曲者の祖父母のいる茨城県常陸太田市での生活や美しい田園風景にインスピレーションを得て作曲された。われわれ日本人の琴線に触れ、強く郷愁を誘われる作品で、冨田勲の名を永遠たらしめる名曲のひとつだと思う。

なお冨田勲は、坂本龍一がリスペクトする作曲家のひとりでもあり、彼が音楽を担当した映画『ラストエンペラー』のテーマの旋律がこの曲に極似していることは、非常に興味深い。

演奏時間はおよそ4分半

【お薦め盤】
大友直人指揮、東京交響楽団(RCA)

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【追記】
youtubeに作曲者自身の指揮による映像が掲載されていますが、ここで演奏している千葉県少年少女オーケストラの演奏は驚異的な素晴らしさです。ぜひお聴きください。

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