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2006/01/14

ヤルヴィのグラズノフ『交響曲第5番』

エストニア出身の名指揮者ネーメ・ヤルヴィは、これまでに数多くの注目すべき録音を残してきた。

20年以上前、イギリスのシャンドスやスウェーデンのBISなどの新興レーベルを中心に、シベリウスやプロコフィエフ、スクリャービンなどの交響曲全集を次々と完成させた。注目すべき点は、これらの大作曲家の比較的よく知られている作品だけでなく、今まで全く録音されてこなかった曲を、フィルアップとして取り上げてくれたことだ。

さらに特筆すべきことは、これまで一部にしか知られていなかった作曲家、例えば、デンマークのニルス・ガーデやスウェーデンのヴィルヘルム・ステンハンマル、ヤルヴィの母国エストニアのエドゥアルド・トゥビンなどの隠れた名曲というべき作品を積極的に録音し、彼らの再評価に多大な貢献をしたことである。

今回、ここで取り上げるグラズノフについても、ヤルヴィはオルフェオレーベル(ドイツ)で交響曲全集を完成している。(その他、バレエ音楽などの管弦楽曲も数多く録音している)

グラズノフは、決してマイナーな作曲家というわけではないが、録音当時の1980年代前半までは、ソビエト(現在はロシア)以外で、交響曲全集に取り組む奇特な指揮者は存在しなかった。

ここでヤルヴィは、グラズノフが完成した1番から8番の交響曲を、バイエルン放送交響楽団およびバンベルク交響楽団とともに非常に優れた演奏を聴かせてくれるが、その中でも、僕が特に感銘を受けたのは、全集第1弾として発売された『交響曲第5番変ロ長調(作品55)』である。

例えば、第2楽章スケルツォのメンデルスゾーン風の絶妙なリズム感、第3楽章アンダンテの感傷的で心が締めつけられるような美しいカンタービレ、後半に進むにつれ大きな盛り上がりをみせるフィナーレなど、素晴らしい聞き物となっている。もともとこの作品は、グラズノフの交響曲の中でも最も優れた作品だと思うが、作品が持つ魅力を最大限に引き出したヤルヴィの能力には、脱帽である。

近年は、彼の2人の息子(パーヴォ、クリスチャン)が指揮者として、父をしのぐ活躍を見せ始めていて、以前のような活躍が聞かれなくなったのは残念だが、これからもぜひ、よい仕事を続け、われわれファンを楽しませてもらいたいものだと切に願っている。

【お薦め盤】
ネーメ・ヤルヴィ指揮、バイエルン放送交響楽団(オルフェオ)

1983年録音

Glazunovcd2


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