レーガー 無伴奏ヴィオラ組曲第1番
ドイツの後期ロマン派の巨人であるマックス・レーガー(1873~1916)は、オペラ以外の分野できわめて膨大な作品を残した。
天才ではあるが、生来、生活習慣に問題があり、心筋梗塞により43歳の若さで亡くなったときは、飲酒・喫煙・暴飲暴食による肥満なども原因であるといわれた。
バッハやブラームスの古典派路線を踏襲しつつも、より複雑・難解・重厚な彼の音楽は、再評価が進んでいるといわれる今日でも、広く親しまれるまでには至っていない。
最もよく知られる作品が、モーツァルトの有名な『ピアノソナタイ長調(K.331)』の第1楽章の主題に基づくオーケストラ曲『モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ(作品132)』であることは、何とも皮肉なことである。
そんな中において、室内楽やオルガン曲の分野は比較的親しみやすい作品が多く、『クラリネット五重奏曲』や2曲の『セレナード』などは、演奏会で取り上げられる機会もある。
今回ご紹介する『無伴奏ヴィオラ組曲第1番(作品131d)』は、1915年、彼の晩年に作曲された3曲ある独奏ヴィオラのための組曲の1曲。
4つの楽章からなり、ヴィオラの機能を最大限に生かして、冒頭より、心の奥底をえぐるような厳しく劇的な音楽が展開される。
古今東西のヴィオラ奏者にとっては、欠くことのできないレパートリーとなっている。
演奏時間は約12分
【お薦め盤】
今井信子(BIS)
【追記】
youtubeに名手バシュメットによる演奏があります。(2009年2月1日加筆)
※編曲版
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