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2005/11/10

タネーエフ ピアノ五重奏曲

セルゲイ・イヴァノヴィチ・タネーエフ※(1856~1915)は、日本における知名度は高くないが、ロシア音楽史において、きわめて重要な位置を占めている音楽家である。 ※「タニェエフ」ともいう。

Taneyev

わずか10歳でモスクワ音楽院に入学した彼は、ピアノをニコライ・ルビンシュタインに、作曲をチャイコフスキーに学び、1875年に金メダルを得て卒業。その後は、作曲やピアニストとしての活動に平行して、22歳からチャイコフスキーの後任として母校で教鞭をとり、1885年からは同院長を務めた。彼の元からは、グラズノフ・ラフマニノフ・メトネル・スクリャービン・プロコフィエフ・グリエールなど数多くの優れた作曲家が巣立っている。

対位法の権威として知られ、かつての師であるチャイコフスキーは、タネーエフが住んでいた場所になぞらえ「消防署のとなりのバッハ」と呼び、自作の批評を求めるなど、絶大なる信頼を寄せていたという。

彼自身、歌劇や管弦楽曲から歌曲に至るまで、数多くの作品を残していて、未だ十分に整理・出版がなされていないのが残念であるが、近年では、交響曲や室内楽作品をはじめ、作品のCD化が進んでいて、今回はそうした中の1枚に収められた、1912年作の『ピアノ五重奏曲ト短調(作品30)』を取り上げてみたい。

この作品は4つの楽章で構成され、全編にわたって、ロシア特有の叙情がドイツ風の堅牢な様式をまとって奏でられる。導入部からシリアスかつ緊張度の高い音楽が展開される長大な第1楽章、パッサカリア形式による主題と40の変奏からなる第3楽章など、「ロシアのブラームス」と呼ばれるにふさわしい濃密な音楽を聴くことができる。

演奏時間は約38分

下記のCDは、ロシアと日本の名手たちによる、これ以上望めないほどの名演奏である。ドイツ・グラモフォンというメジャーレーベルからの発売にも喝采を送りたい。

【お薦め盤】
ヴァディム・レーピン&イリア・グリンゴルツ(Vl)、今井信子(Vla)、リン・ハレル(Vc)、ミハイル・プレトニョフ(Pf)

Taneyevcd


【追記】
youtubeに何点か演奏が掲載されています。(2009年12月1日加筆)
※この映像は第4楽章の演奏です。

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