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2005/04/17

パガニーニ ネル・コル・ピウ

ヴァイオリンの鬼才、ニコロ・パガニーニ(1782~1840)の出現は、19世紀初頭のヨーロッパ音楽界にとって、大きな衝撃であった。シューベルトは最晩年(といっても、わずか31歳だが・・・)に、愛読書や家財道具を売ってまで演奏会のチケットを手に入れようとしたし、シューマンやリストは、彼の演奏を聴いて音楽家への道を志したといっても過言ではない。

Paganini

「悪魔的」とまでいわれたヴァイオリンの演奏技術について、今日のわれわれは、残された作品によって思いをめぐらすしかないのだが、パガニーニは、その神業ともいえる技巧が模倣されることを極端に恐れ、今日、代表作として知られている無伴奏ヴァイオリンのための『24の奇想曲(作品1)』など一部を除き、作品のほとんどは出版されることなく、作曲者自身の手によって死の直前に焼却されてしまった。

さまざまな経緯を経て、かろうじて生き延びた作品としては、名曲としてしばしば演奏会でも取り上げられる『ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調(作品6)』をはじめとする6曲のヴァイオリン協奏曲や室内楽曲、ギターのためのいくつかの作品がある。

そんな彼の作品の中から、今回は無伴奏ヴァイオリンのための小品『ネル・コル・ピウ』を取り上げてみたい。

正式名称は『パイジェルロの「水車屋の娘(ネル・コル・ピウ)」の「うつろな心」による変奏曲ト長調(作品38)』であるが、あまりにも長過ぎるので通称「ネル・コル・ピウ」と呼ばれている。1820年ころ作曲されたといわれているが、詳細は不明である。

導入部から、協奏曲のカデンツァのように、揺れ動くテンポで情熱的な音楽が奏でられる。続いて主部に入りピチカートの伴奏に乗ってアンダンテのテーマが優雅に歌われるが、変奏部分に入ると、32分音符や64分音符!の連続となる。曲は導入部とテーマ、そこに7つの変奏と終結部が続き、全曲にわたりヴァイオリンの超絶技巧の粋を尽くした、唖然とするほどの名人芸が繰り広げられる。

パガニーニの曲の特徴は、イタリアの青い空のような明るく晴れやかな音楽が、超絶的な名人芸によって奏でられるところに最大の魅力があり、その両者が必然のように同居しているところが素晴らしい。

演奏時間は約8分半

【お薦め盤】
ヴァディム・レーピン(エラート)

Repincd


【追記】
名曲として知られているため、youtubeにも数多くの演奏が掲載されていますが、ここでは「パガニーニの再来」といわれたアッカルドの若き日の貴重な映像をご紹介します。(2010年3月加筆)

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