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2005/04/17

クライスラー プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ

今回は、20世紀を代表する世界的ヴァイオリニストのひとり、フリッツ・クライスラー(1875~1962)について述べてみたい。

Kreisler2

ウィーンで生まれた彼は、3歳のころからヴァイオリンを始め、7歳でウィーン音楽院に入学。ヘルメスベルガー2世やブルックナーに師事し首席で卒業。続いて学んだパリ音楽院では、マッサールやドリーブに師事し、ここでも首席で卒業するという早熟の天才であった。その後、イギリスやドイツ、フランスなどを拠点に幅広く演奏活動を行い、世界的な名声を博したことは周知のとおりである。

彼は、ポルタメントを効果的に用いた緩急自在な演奏が大きな特徴で、現在でもいくつかのCDで、その演奏を聴くことができる。

作曲の分野においても、ヴァイオリンの小品を中心に数多くの作品を残していて、『愛の喜び』や『ウィーン奇想曲』、『美しきロスマリン』など、今日演奏会でも取り上げられる機会もきわめて多い。

今回取り上げる『プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ』も、ヴァイオリンとピアノのための演奏会用小品のひとつ。冒頭、マルカートの4分音符のみで提示される全22小節のアレグロ主題は、聴く者の魂を揺さぶるかのような強い意志と悲劇性を帯びている。やがて16分音符を中心にした技巧的な変奏曲が続き、重音を駆使した畳みかけるようなフレーズによって劇的なクライマックスを形づくる。

なおこの作品は、当初、クライスラーが演奏旅行先の図書館で発見したイタリアの作曲家ガエターノ・プニャーニ(1731~1798)の未発表曲の編曲として発表されたが、後にクライスラー自身が自作であると告白し、一大センセーション※を巻き起こした一連の曲のひとつである。※通称「作曲者詐称事件」

演奏時間はおよそ5分半

【お薦め盤】
チョン・キョンファ(Vn)、フィリップ・モル(Pf)(ロンドン)

Kreislercd


【追記】
名曲でもあり、youtubeにも数多くの演奏がアップされています。(2009年12月1日追記)
※演奏者は異なりますが、これも感動的な名演です!


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