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2005/03/05

フローラン・シュミット 協奏的交響曲

近代フランスの作曲家フローラン・シュミット(1870~1958)は、パリ音楽院に学び、後にパリ音楽院やリヨン音楽院の院長を歴任するなど、20世紀前半のパリ楽壇の中心人物として活躍した。

Fschmitt

ドイツ系フランス人であった彼の作風は、近代フランス音楽の伝統に基づきながらも、ドイツ・ロマン派の作曲家の堅牢な形式美を兼ね備えており、優れた管弦楽法を駆使したオーケストラ作品にみられる色彩感や官能性は、とりわけ大きな魅力であり、次世代のメシアンやデュティーユにも大きな影響を与えたといわれる。

88歳で没するまで創作意欲は衰えず、舞台作品や管弦楽曲を中心に130を超える作品を残しており、代表作であるバレエ音楽『サロメの悲劇(作品50)』や『詩篇第47番(作品38)』など、CDでもいくつかの名演を聴くことができるが、実演で聴く機会は必ずしも多いとはいえない。わが国では、吹奏楽の世界で『ディオニソスの祭り(作品62-1)』や『サクソフォーン四重奏曲(作品102)』がよく取り上げられるが、今後、本格的な再評価が待たれる作曲家のひとりといえよう。

今回ご紹介するピアノと管弦楽のための『協奏的交響曲(作品82)』は、ボストン交響楽団の常任指揮者であったセルゲイ・クーセヴィツキーの依頼により1928年から1931年かけて作曲された円熟期の代表作。優れたピアニストでもあった作曲者の、渾身の一曲である。

曲は3つの楽章からなり、Assez animé(十分に生き生きと)と指示された第1楽章では、強烈な芳香を放つ管弦楽と超絶技巧のピアノによる絢爛豪華な音響世界が聴く者を圧倒する。続く第2楽章では、ストリングスが奏する神秘的なハーモニーの上に、ピアノや木管が妖しく絡みながら曲は進む。第3楽章は、躍動感あふれる輝かしいフィナーレとなる。

「協奏的交響曲」の名が示すとおり、ピアノとオーケストラが渾然一体となった作品で、初演時から賛否両論を巻き起こしたが、現在では、彼の最高傑作との呼び声が高い。

1934年に、クーセヴィツキーが指揮するボストン交響楽団と作曲者自身のピアノにより初演された。

演奏時間は約37分

【お薦め盤】
フセイン・セルメット(Pf)、デイヴィッド・ロバートソン指揮、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団(VALOIS)

Florentschmittcd2


【追記】
youtubeに音源が掲載されました。(2010年12月加筆)

【追記】

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