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2005/03/19

ショーソン 愛と海の詩 

生粋のパリっ子であったエルネスト・ショーソン(1855~1899)は、近代フランスを代表する作曲家として知られる音楽家である。

Chausson

両親の希望にしたがって法律を学ぶが、音楽の道に進むべく24歳のときにパリ音楽院に入学。マスネに作曲を師事するが、やがてフランクに傾倒し、1971年に国民音楽協会が設立されると、その一員となり活躍した。

自転車事故によって44歳の若さで亡くなったため、作品の数は必ずしも多くはないが、歌劇や管弦楽曲、室内楽曲、とりわけ歌曲の分野で優れた作品を残している。

彼の作品は、和声やオーケストレーションにおいてワーグナーの影響を受けつつも、繊細で感傷的、色彩豊かな作風が大きな特徴であり、代表作としては、ヴァイオリンと管弦楽のための『詩曲(作品25)』や独奏ヴァイオリンとピアノに弦楽四重奏という珍しい編成による『コンセールニ長調(作品21)』などが知られている。

今回取り上げるソプラノと管弦楽のための歌曲集『愛と海の詩(作品19)』は、27歳から10年を費やして1892年に完成された彼の傑作のひとつで、友人でもあった詩人モーリス・ブショールの詩をテクストにした「歌付きの交響詩」と呼ぶにふさわしい作品である。

全体は大きく分けて3つの部分からなり、第1部と第2部の間に、短い間奏曲が加わるという構成をとり、各部ごとが、それぞれ3つに分かれている。第1部「水の花」では、若き青年の抑えようもない恋心が切々と歌われるが、次々と変幻する和声やオーケストラの幻想的で繊細なテクスチュアは、たとえようもなく美しい。

「ゆっくりと、悲しげに」と題された40小節に満たない間奏曲を経て、第2部「愛の死」となり、ここでは過ぎ去った愛の悲しみのモノローグとなるが、とりわけ終結部にあたる「リラの花咲く季節」は有名で、単独の歌曲としても取り上げられる機会も多い。独奏チェロによる半音階の下降旋律が、暗く沈んだ管弦楽の響きとともに強い印象を残す。

曲中ところどころで、ドビュッシーの交響詩や歌曲を思わせるような響きが聞こえてくるが、20世紀に続くフランス音楽の発展に、大きな影響を与えることになる作品となった。

演奏時間は約25分

【お薦め盤】
ジェシー・ノーマン(Sop)、アンミン・ジョルダン指揮、モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団(エラート)

Chausson2cd


【追記】
演奏は違いますが、youtubeには、いくつかの音源が掲載されています。(2009年2月1日加筆)

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