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2005/03/05

チェリビダッケのチャイコフスキー『第5交響曲』

ルーマニア生まれの大指揮者セルジュ・チェリビダッケ(1912~1996)は生前、レコーディング嫌いとして知られ、モノラル時代や自作の録音を除き、正規録音を除き残さなかった。しかし、放送録音は例外?だったようで、僕もFM放送で何度も彼の演奏を聴いたことがあり、ゆっくりとしたテンポと神経質ともいえるカチッとした演奏を、ときどき混じる「ティー、ティーッ!」という鋭い声とともに記憶している。

彼の死後、息子たちにより、生前に残された放送録音から選りすぐりの演奏がグラモフォンやEMIでCD化され、現在、多くの名演を聴くことができるのは、故人の意思は別として、誠にありがたいことだと思う。

これらのCDの中では、シューマンやブルックナーとともに、とりわけ優れた演奏だと思えるのがチャイコフスキーだ。今回は、その中から『交響曲第5番ホ短調(作品64)』を紹介する。

この演奏も他の例にもれず、テンポは遅いが、少しもいやではなく、むしろ確固とした足どりが心地よい。
驚くべきはミュンヘンフィルの演奏で、冒頭からフィナーレまで緊張感とスタミナが切れない。例えば第4楽章の490小節からトランペットが奏でるゆるぎない響きはどうだ。スタジオ録音ではないのに、これはすごいことだと思う。

第1楽章186小節目以降、チャイコフスキーの特徴である「ストリンジェンド(だんだんとせき込んで)」の焦燥感、第2楽章45小節目ピアノから56小節のフォルティッシモに向けての熱い高揚感など、聴きどころは枚挙にいとまがない。

この名曲の最高の演奏のひとつである。

【お薦め盤】
セルジュ・チェリビダッケ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(EMI)

1991年録音

Celibidachecd


  

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