« コープランド クラリネット協奏曲 | トップページ | 瀧廉太郎 憾(うらみ) »

2005/02/05

矢代秋雄 ピアノ協奏曲

日本が生んだ代表的作曲家である矢代秋雄(やしろ・あきお、1929~1976)は、東京藝術大学を経て、パリ国立高等音楽院で学んだ俊才で、帰国後は母校の作曲科主任教授として、後進の指導にあたったが、惜しくも46歳の若さで急逝した。

Yashiro

学生時代に橋本國彦や池内友次郎に学んだことから、近代フランス音楽の語法に強く惹かれ、パリに留学しさらに研鑽を積んだ。彼の音楽の特徴は、古典的な形式の中に、十分に推敲され、磨き上げられ、それがフランス風のエスプリまでも感じさせるところが素晴らしい。

厳しい自己批判ゆえに残された作品は数少なく、1958年に作曲された『交響曲』がよく知られるが、1964年から1967年にかけて作曲された『ピアノ協奏曲』も代表作のひとつであり、演奏会でもよく取り上げられている。※実は、若いころ(1947年)に作曲した未発表の『ピアノ協奏曲』がもう1曲存在する。

曲は3つの楽章からなり、主題は12音技法によっているが、展開は古典的な形式に従っていることから、当時の現代音楽の作品としては聴きやすい部類に入る。

特に「アダージョ・ミステリオーソ」と指示された第2楽章は、作曲者が幼いころによく体験した「明け方の悪夢」を表現したものとされていて、ピアノによるC音のオスティナートが延々と奏でられながら、曲の後半では全楽器による圧倒的なクライマックスを形づくり、全曲の中で最も強い印象を残す。

現代日本を代表する、紛れもない傑作のひとつであると思う。

演奏時間は約27分

いくつもCDが出ているが、まずは初演者でもあり作曲者と親交が深かった中村紘子の演奏で聴いてみたい。

【お薦め盤】
中村紘子(Pf)、若杉弘指揮、東京都交響楽団(SONY)

Yashirocd


【追記】
youtubeに音源が掲載されました。(2009年12月加筆)
※演奏は異なります。


« コープランド クラリネット協奏曲 | トップページ | 瀧廉太郎 憾(うらみ) »

作曲家、この一曲(マ行~ヤ行)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46318/49596534

この記事へのトラックバック一覧です: 矢代秋雄 ピアノ協奏曲:

« コープランド クラリネット協奏曲 | トップページ | 瀧廉太郎 憾(うらみ) »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

Twitter

無料ブログはココログ

Amazon ウィジェット

  • ウィジェット