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2005/02/12

パリー エルサレム

サー・チャールズ・ヒューバート・ヘイスティングス・パリー(1848~1918)は、スタンフォードやエルガー、ブリテンらの先輩格にあたり、近代におけるイギリス音楽再興の祖として知られている存在である。

Parry

彼は、若いころは保険会社として知られるロイズで働きながら作曲を続けたという変わり種で、1884年、ロンドンの王立音楽大学が設立されるとその教授に迎えられ、のちに学長に就任するとともに、オックスフォード大学音楽科の教授も兼ねるという、きわめて多忙な地位にあったため、作曲には十分な時間がとれなかった。
しかし、ヴォーン・ウィリアムズやホルストらを育てたことからも分かるとおり、きわめて優秀な教育者であった。

彼は、5曲の交響曲や合唱曲など、ドイツ・ロマン派の影響を受けた作品を残していて、生涯ブラームスを尊敬し、その死にあたっては『ブラームスへの哀歌(エレジー)』という作品を捧げている。

この合唱曲『エルサレム』は、彼の晩年、1916年に作曲され、「正義のための戦い」運動の中で発表された作品で、やがて当時の参政権拡張運動の中で歌い継がれていく。彼の作品の中で、最も知られている曲である。

歌われる詩は、イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの長詩『ミルトン』の序詞であり、イエス・キリストが古代のイングランドに来たという伝説に基づき、「祖国イングランドの地に、エルサレムを打ち立てよう」という内容を歌う愛国的要素の強い曲である。

毎年夏に、ロンドンのロイヤル・アルバートホール等で開催される「プロムス」のラストナイトコンサートの定番曲でもあり、英国人であれば誰でも知っている「第2の国歌」とも呼べる曲である。

なお、現在この曲は、原曲のオルガン伴奏ではなく、エルガーが壮大なオーケストレーションを施したものが、よく演奏されている。

演奏時間は3分弱。

【お薦め盤】
ロジャー・ノリントン指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団及び合唱団(ロンドン)

Englandcd


【追記】
youtubeにも、数多くの演奏が掲載されています。(2009年2月1日加筆)

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