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2005/02/11

黛敏郎 無伴奏チェロのための『BUNRAKU』

戦後日本を代表する作曲家のひとりである黛敏郎(まゆずみ・としろう 1929~1997)は、東京音楽学校を経てパリ音楽院で学び、帰国後は、芥川也寸志や團伊玖磨とともに「三人の会」を結成するなど、現代音楽界の俊英として活躍した。

Mayuzumi

彼は、ガムランをはじめ、ジャズや電子音楽にいたるまで、さまざまな分野の音楽に没頭し、それらの影響を受けた作品を残していて、代表作には、梵鐘の音をコンピューターで分析しオーケストラで再現した『涅槃交響曲』や三島由紀夫の小説に基づくオペラ『金閣寺』などがある。一般には、日本テレビのスポーツ番組のテーマ曲でもある『スポーツ行進曲』が名高い。

また彼は、テレビ番組「題名のない音楽会」の初代司会者としても知られ、僕自身、この番組を通じて、彼から受けた知識や影響は計り知れないものがある。

今回取り上げる、無伴奏チェロのための『BUNRAKU』は、1960年に、倉敷の大原美術館30周年記念行事にために作曲され、大原総一郎に捧げられたもので、日本の三大芸能のひとつである「文楽(人形浄瑠璃)」の世界を、西洋楽器であるチェロにリダクションしようという試みである。

全体は3つの部分からなるが、太棹三味線のバチさばきや義太夫節の微妙な節回しを、チェロの超絶技巧を効果的に用いて表現していて、きわめて強い緊張感を持った音楽が展開される。

「古典」を高度に追求することが、転じて、前衛的・革新的創造の実践にもつながっているという典型例である。

演奏時間はおよそ9分半

【お薦め盤】
岩崎洸(EMI)

Mayuzumicd


【追記】
youtubeにも数多くの音源が掲載されています。


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