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2005/01/09

ルクー ヴァイオリンソナタ

ベルギー生まれの作曲家ギョーム・ルクー(1870~1894)は、幼少期からヴァイオリンやピアノを学び、9歳で両親とともにフランスのボアティエへ移住、1888年には、パリ大学で哲学を学ぶが、作曲家になる夢を断ちがたく、翌年の1889年、大作曲家フランクに和声学や対位法を学ぶことになる。フランクは、同じベルギーの出身であるこの才気あふれる若者を可愛がったという。

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翌年にフランクが交通事故が原因で67歳で亡くなると、その高弟であったダンディに師事する。1991年には、カンタータ『アンドロメダ』でローマ賞第2位を獲得するなど、将来を大いに嘱望されるが、腸チフスにかかり、1894年、わずか24歳で夭折した。

短い生涯であったが、管弦楽曲や室内楽曲、歌曲などの分野において、フランクの流れをくんだ優れた作品を発表し、未完や断片を含めるとその数は100を超える。

1889年、バイロイトでワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』に感激のあまり失神し、劇場の外へ運び出されたというエピソードがある。

今日、最もよく知られ演奏されるのは、1891年に作曲された傑作、『ヴァイオリンソナタト長調』である。
この曲は、上記のカンタータ『アンドロメダ』がブリュッセルで演奏された折、名ヴァイオリニストのイザイがそれを聴いて感銘を受け、ルクーにソナタの作曲を依頼したことによる。この作品は翌年、イザイにより初演された。

曲は伝統的な3楽章形式で作曲されていて、師のフランクのソナタと同様、循環形式を効果的に用いている。また、トレ・ラン(きわめて遅く)と指示された第2楽章では、故国ベルギーの民謡に由来する息の長い美しいメロディーが奏でられる。

みずみずしい楽想の数々、緻密な構成力は、作曲者の天才を証明するに十分であり、志(こころざし)半ばで亡くなったことが惜しまれる作曲家である。

演奏時間はおよそ30分

【お薦め盤】
アルテュール・グリュミオー(Vn)、ディラノ・ヴァルシ(Pf)

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【追記】
youtubeに音源が掲載されています。(2009年2月加筆)

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