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2004/12/12

ヴュータン ヴィオラとピアノのためのエレジー(悲歌)

ベルギー派の名ヴァイオリニストであるアンリ・ヴュータン(1820~1881)は、フランスに拠点を置き、ヨーロッパ各地やアメリカで演奏旅行を行うとともに、後年は母国のブリュッセル音楽院で教鞭をとり、フバイやイザイなどの名演奏家を育てたことでも知られる。

Vieuxtemps

幼少期からヴァイオリン演奏に顕著な才能を示し、すでに10代のころから「パガニー二を凌(しの)ぐ」とまで言われるほどであったが、多忙な演奏活動の傍ら、彼は作曲家を志し、ジーモン・ゼヒターやアントン・ライヒャに作曲を学んだ。

シューマンやベルリオーズをはじめとする作曲家たちとの交流、圧倒的な技巧に裏打ちされたヴァイオリニストとしての演奏活動、母国ベルギーやロシアにおける教育活動など、めざましい活躍を続けた。
晩年は脳卒中のため半身不随になるなど、失意の日々を送ることになったが、彼が音楽史に残した功績はきわめて大きい。

作曲家としては、7曲のヴァイオリン協奏曲(特に『第5番イ短調(作品37)』が有名)をはじめ、ヴァイオリン曲を中心に残されているが、今回ご紹介するのは、1854年ころ、ヴィオラとピアノのために作曲された『エレジーヘ短調(作品30)』である。

冒頭、ピアノの8分音符による憂鬱な和音に導かれ、ヴィオラが悲しみの旋律を奏でる。やがて変イ長調に転じ、連続するピアノの6連符が印象的な、晴れやかなエピソードが続くが、やがて冒頭の主題に回帰していく。
ヴィオラの特性を存分に生かした、魅力的な傑作である。

演奏時間は約7分

【お薦め盤】
ロベルト・ディアス(Vla)、ロバート・ケーニッグ(Pf)(ナクソス)

Vieuxtempscd


【追記】
youtubeにも数多くの演奏が掲載されています。(2009年2月1日加筆)

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