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2004/12/12

ラフマニノフ 弦楽四重奏曲第1番

近代ロシアの大作曲家セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ(1873~1943)は、チャイコフスキーの流れをくむ、いわゆる「モスクワ楽派」の代表格として、数多くの名曲を残している。また生前は、名ピアニストとしても活躍し、その演奏は今でもCDで聴くことができる。

Rachmaninov

貴族の家庭に生まれた彼は、幼少期より優れた音楽の才能を示しピアノを学ぶことになったが、9歳のときに一家が破産し、両親は離婚。母方に引き取られた彼は、奨学金を得てペテルブルク音楽院に入学する。

やがて、従兄弟の名ピアニスト、ジロティに勧められモスクワ音楽院で学ぶことになり、1891年にピアノ科を首席で卒業。将来を期待されるが、1897年、満を持して発表した『交響曲第1番ニ短調』の記録的な大失敗により心を病んでしまい、ついには作曲もできなくなってしまう。
精神科医であったダール博士の治療により、代表作となる『ピアノ協奏曲第2番ハ短調』などを書き上げ、スランプを脱出するのは、1901年になってからである。

今回ご紹介する『弦楽四重奏曲第1番』は、かつて『弦楽四重奏のための2つの楽章』とも呼ばれた作品である。
1889年、彼がまだモスクワ音楽院時代、師のタネーエフの課題として作曲されたもので、2つの楽章、「ロマンス(ト短調)」と「スケルツォ(ニ長調)」のみが残されている。
習作ではあるが、「ロマンス」で聴かれる哀愁(タスカー)を帯びた美しい旋律は十分に魅力的だし、「スケルツォ」も、メンデルスゾーン風の瑞々しさに溢れている。

ちなみに、彼の弦楽四重奏曲には、もう1曲、1896年ころの作曲とされる『第2番』があるが、これも2楽章しか残されていない。おそらく1897年の出来事が、この曲を未完に終わらせた一因なのではないかと僕は思っている。

これら2曲の弦楽四重奏曲は、いずれも未完成作品であり演奏機会もほとんどないが、後年のラフマニノフの片鱗をうかがうことができる名品だと思う。ぜひ一度、お聴きいただきたい。

演奏時間はおよそ12分

【お薦め盤】
モーツァルト弦楽四重奏団(エトセトラ)

Rachmaninovcd


【追記】
youtubeに、いくつか演奏が掲載されています。素晴らしいことです!(2009年2月1日加筆)
※演奏は「ロマンス」楽章の弦楽合奏版(1890年、作曲者による編曲)。


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