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2004/11/06

ジョージ・ウィンストンの「オータム」

アメリカ合衆国ミシガン州生まれのピアニストで作曲家、ジョージ・ウィンストン(1949~   )は、これまでに数多くのアルバムを発表しているが、その代表作が1980年に発表された「AUTUMN(オータム)」である。

彼がこのアルバムをつくるきっかけとなったのは、ギタリストであり音楽レーベル「ウィンダム・ヒル」の設立者であったウィリアム・アッカーマンのアドバイスによるもので、発売されるやいなや世界的な大ヒットとなり、彼の名声を決定付けることとなった。
この「AUTUMN」(秋)を皮切りに、1982年に「WINTER INTO SPRING」(春)と「DECEMBER」(冬)を発表、さらに1991年の「SUMMER」(夏)により、いわゆる「四季4部作」を完結している。

まず、何より素晴らしいのは、クリスタルを思わせるクリアなピアノのサウンド! これまで聴いてきたクラシック音楽のピアノ曲とはまったく違う・・・、録音の手法の違いによるのだろうか。曲が終わっても、いつまでも響き続けるピアノの余韻が深く心に残る。僕が初めてこのアルバムを購入した当時はLPレコードだったが、ジャケットの写真や内袋を含めてセンスが抜群に素晴らしく、当時は、いつまでも手にとって眺めていたものだ。

このアルバムに収録されている曲は、全部で7曲。いずれも、秋の情景が目の前に広がるような美しい曲ばかりだ。1曲目の『Colors/Dance(カラーズ/ダンス)』の冒頭、冷やりと澄み切った空気感が素晴らしい。後半部では、両手で繰り返される3連符のアルペジオは、あたかも色とりどりの紅葉が舞い踊るようで、ひたすら圧倒される。 

3曲目の『Longing/Love(あこがれ/愛)』は特に有名で、日本でも、1984年、俳優の山崎勉が出演するトヨタのクレスタのCMで使用されたことを、ご記憶の方も多いのではないだろうか。また、5曲目の『Moon(月)』の中間部で聞かれるトレモロは、日本の筝曲をイメージしたという。

彼は親日家としても知られ、ほぼ毎年、日本でコンサートツアーを行っていて、僕はこれまでに、地元をはじめ横浜や神戸など、幾度も演奏会に足を運んでいる。彼のライブをご覧になられた方はご承知だと思うが、彼は録音されているようには絶対に弾かない。音楽は日々形を変えるものであるというのが彼の信条のようで、基本的なコード進行やフレーズを使って、きわめて即興的な演奏を繰り広げる。ピアノだけでなく、ハワイアン・スラック・キー・ギターやブルース・ハーモニカによる演奏も素晴らしい。

なお、彼のピアノソロ曲集(楽譜)は、これまでに「AUTUMN」と「DECEMBER」のみ発売されたことがあるが、本人の意向により絶版になって久しい。マニアの間ではレア物として取引され、ヤフオクで、一時1冊10万円!の値が付いていたこともある。(実をいうと僕は幸運にも、当時発売されていた「AUTUMN」を購入し、所有している)

そもそも僕が、ピアノに本格的に取り組もうと思い立ったのは、このアルバムを聴き感動したことがきっかけ。「こんな風にピアノを弾いてみたい!」と、京都四条にあるピアノ教室に通いだしたのは19歳の夏のこと。

僕の音楽人生に大きな影響を与えた作品である。

【お薦め盤】
AUTUMN: WINDHAM HILL 20TH ANNIVERSARY EDITION


Georgewinstoncd2


【追記】
youtubeでも曲を聴けます。

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