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2004/11/28

ビートルズの「アビイ・ロード」

僕は、いわゆる「ビートルズ世代」ではないが、周囲にはビートルズ好きがたくさんいたし、僕自身大好きなグループのひとつである。

彼らの音楽を初めて意識したのは、中学校のお昼の時間などに放送室から流れていたポール・モーリアによるビートルズのアレンジ・アルバム「ビートルズの世界」である。そこには11曲のビートルズの曲がアレンジされていたが、特に「ペニー・レイン」や「レディ・マドンナ」などは抜群に素晴しく、今でも懐かしい学校の思い出とともに心に刻まれている。

クラシック音楽のエアチェックに夢中だった当時、偶然、FMで放送されたビートルズの曲を数曲、カセットテープに録音したのが、おそらくオリジナル曲を聴いた初体験だったと思う。中でも印象に残っているのは、「恋する二人(I Should Have Known Better)」という曲だ。

高校時代は、取り立てて思い出はないが、大学時代に入ると周りの先輩たちが、「クラシック音楽ばかり聴いていずに、もっとロックやジャズを聴いてみろ」と言って、いろいろと世話を焼いてくれ、LPレコードでベストアルバムを購入し聴いたのもこのころ。無意識のうちに、結構耳にしている曲が多いのに驚いた記憶がある。

「オリジナルアルバムでは、これが最高傑作や!」と言って先輩に薦められたのが、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。先のベストアルバムで好印象を持っていたので、さっそくこれもLPを購入して聴いてみることにした。インパクトの強い、野心的な意欲が感じられるジャケットだったし、大いに期待して針を落としたのだが…、しかし結局、何が良いのかさっぱり分からず、失望したものだ。(今はもちろん好きですけど)

その後、CDなども数多く購入し、いろいろな機会でビートルズの曲と関わることになる。「レット・イット・ビー」などは、下手くそながらピアノのレパートリーのひとつだし、一時期はカラオケで、「イエスタディ」を熱唱したものだ。解散後のポールやジョンのソロ・アルバムにも夢中になった。そんな僕が、一番気に入っているビートルズ・アルバムが、この「アビイ・ロード」である。

これは、彼らの12作目のオリジナル・アルバムで、1969年に発表された最後のレコーディング作品。全英および全米チャート第1位を獲得している名盤だ。


「アビイ・ロード」 リマスター盤 (東芝EMI)

Beatlescd


全17曲で構成されているが、特徴的なのは9曲目の「ユー・ネヴァー・ギヴ・ユア・マネー」から16曲目「ジ・エンド」までが、壮大なメドレーとなっていること。まるでミュージカルでも見ているような錯覚に陥る。また、ジョージ・ハリスン作曲の「サムシング」と「ヒア・カムズ・ザ・サン」が超名曲だということ。初心者のうちは、どうしてもビートルズの曲といえば、レノン=マッカートニー共作ばかりに目が行きがちだが、この2曲は、ジョージの力量のすごさを再認識させてくれるのに十分なインパクトがある。

順番に、何曲かピックアップしてみよう。

第1曲「カム・トゥゲザー」
イントロの「shoo!」という突き刺さるような声が全体のイメージを決定付ける。Dメジャーの和音に♯9が加わり、不健康なサウンドで始まるが、きわめて骨太のロックだと思う。

第2曲「サムシング」
ジョージの名曲。とてもオーソドックスで美しいコード進行。Aメジャーに転調後の激しい部分とのコントラストも、とても印象に残る。

第3曲「マックスウェルズ・シルバー・ハンマー」
曲の雰囲気も、リードボーカルのポール・マッカートニーの歌も陽気で明るい。一聴するとゴキゲンなナンバーだが、歌詞は、ホラー映画そのもの!

第4曲「オー!ダーリン」
シャウトするポールの歌声が聴きどころのロッカ・バラード。冒頭部分の増和音も印象的。

第7曲「ヒア・カムズ・ザ・サン」
僕にとっては、このアルバムで一番好きな曲。ジョージが盟友エリック・クラプトンの家の庭で作曲したという。
涼しい風が吹き抜けるような、とても耳に心地よい曲。途中、変拍子になるところは、曲全体のフォルムを締める役割を果たしていて、天才的なアイデアだと思う。

第8曲「ビコーズ」
ムーグ・シンセサイザーの音が特徴的な曲。ジョン・レノンが、オノ・ヨーコの弾くベートーヴェンの『月光ソナタ』第1楽章からインスピレーションを受けて生み出された曲だという。ジョン、ポール、ジョージのコーラスワークが聴きどころ。

第9曲「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」
いよいよ、この曲から怒涛の展開が始まる。冒頭のピアノの寂しげなフレーズが好きで、何度練習したことか…。当時から歌詞の意味が良く分からず、今でもそれは変わらない。でも、それでいいと思っている。当時のレコード会社の財政難を歌ったともいわれるが…。その後、曲は大きな展開を見せる。

第10曲「サン・キング」
前出の「ヒア・カムズ・ザ・サン」のフレーズに続き、意味不明のイスパニア語で歌われる。アンニュイな雰囲気が心地いいが、それに浸る間もなく、すぐに次の曲に移行する。

第11曲「ミーン・ミスター・マスタード」~第16曲「ジ・エンド」
この部分になると、あまり深く意味を考えずに、素直に耳を傾けるのがいいと思う。しかしどの曲も、何気にすごいテクニックを駆使していて、痺(しび)れるほどかっこよい。さすらいを感じさせる名曲「ゴールデン・スランバー」もさることながら、次の「キャリー・ザット・ウェイト」で、金管楽器により「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」の冒頭のテーマが戻ってくるところは、まさに鳥肌ものだ!


かつて、イギリスに旅行した際、ビートルズ誕生の地であるリバプールにも立ち寄った。ペニー・レイン通りやストロベリー・フィールズなど、いくつかのビートルズゆかりの地を巡った。都会ながら、イギリスの古き伝統を漂わせる雰囲気のある街だったことを思い出す。僕の、なつかしき青春のひとこまである。


【参考音源】

ビートルズ「恋する二人(I Should Have Known Better)」


ビートルズ「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Come The Sun)」
(注:この音源はビートルズの歌唱ではありません。あしからず)


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