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2004/11/13

吉松隆のピアノ協奏曲「メモ・フローラ」

このCDを、初めて聴いて思った。

「現代でも、こんなに美しいピアノ協奏曲が書けるのか・・・」

そのとき僕は、ヘッドフォンから聞こえてくるCDの音楽に驚き、素直に感動した。
吉松隆氏の作品は、それまでにも『朱鷺に寄せる哀歌(作品12)』や『交響曲第2番「地球にて」(作品43)』の第2楽章などを愛聴してきたし、イギリスのシャンドスレーベルが、彼の管弦楽作品全曲シリーズに取りかかることを知り、感嘆の声をあげたものだ。

自分では、ひそかに吉松マニア?を自称していたが、時折、交響曲のフィナーレなどで聞かれるロック風の大音量の音楽に、いささか違和感を感じてもいたことも事実である。それでもなお、この『ピアノ協奏曲「メモ・フローラ」(作品67)』でピアノとオーケストラが奏でる、まるで静謐な湖畔を見るような音のマジックには、ただ圧倒されるしかなかった。

この作品は、1996年から翌年にかけて作曲されたが、作曲者によるとモーツァルトの『ピアノ協奏曲第27番変ロ長調(K.595)』と、ほぼ同じ楽器編成、形式(3楽章)・調性による作品という構想で書かれたということである。

題名の「メモ・フローラ」とは、「花の覚書」という意味を表し、第1楽章は「Flower(花)」と名づけられたアレグロ楽章、第2楽章は「Petals(花びら)」という名のアンダンテ、第3楽章フィナーレは「Bloom(花)」というロンドにより構成される。いずれの楽章も夢のような、はかなくも美しい「音の万華鏡」であり、彼の最高傑作のひとつであると断言したい。

なお、このCDには他にも、『鳥は静かに・・・(作品72)』『天使はまどろみながら(作品73)』『夢色モビールⅡ(作品58a)』『白い風景(作品47a)』が含まれていて、いずれ劣らず美しい作品ばかり。ぜひ、お聴きいただきたい名盤である。

【お薦め盤】
吉松隆 ピアノ協奏曲「メモ・フローラ」ほか
田部京子(Pf)、藤岡幸夫指揮、マンチェスター・カメラータ(シャンドス)

1998年録音

Yoshimatsucd2

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