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2004/10/03

ダウランド 愛しい人が泣くのを

ルネサンス期のイギリスで活躍したジョン・ダウランド(1563~1626)は、エリザベス女王(1世)時代に活躍した作曲家・リュート奏者であり、彼の歌曲の詩には、同じ時期に活躍した詩人・劇作家であるシェイクスピアの作品も含まれている。

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当時のイギリスは、国教会とカトリックが混在・対立する時代であり、カトリック教徒であった彼は、国教会から受け入れられず、やむなく海外に職を求めた。現在のドイツやイタリアなどヨーロッパ各地を歴訪し、1598年、デンマーク国王お抱えのリュート奏者となった。

母国イギリスで、それもエリザベス女王の下で活躍することを望んでいたといわれる彼だが、1601年、エセックス伯ロバート・デヴァルーの反乱に巻き込まれ、弁明の機会を与えられることなく、失意の日々を送った。

1606年に帰国したが、さまざまな妨害に遭い、ようやく念願であった「国王付属のリュート奏者」の職に就いたのは、エリザベス女王の没後である1612年、ジェームズ1世の治世であった。

現在残されている主な作品は、リュートの独奏または合奏による舞曲、あるいはリュート付きの世俗歌曲(マドリガル)であり、宗教曲はほとんど残されていない。
とりわけ彼の名を有名にしたのはリュート独奏のための作品『涙のパヴァーヌ』であり、1600年に、この曲に歌詞をのせて発表した『流れよ、わが涙(Flow my tears)』は、当時のヨーロッパで大流行したといわれている。

今回取り上げるのは、その『流れよ、わが涙』と同じく歌曲集第2巻に収められている『愛しい人が泣くのを(I saw my lady weep)』である。
その悲しくも透明感のある音楽は、「嘆きのダウランド」と呼ばれた彼の、表現の真骨頂である。

次に、歌詞の一部を示す。

愛しい人が泣くのを、私は見た。
哀しみも名誉を与えられたものだ。
その麗しい眼にはすべてが宿っている。
彼女の顔には悲しみがあふれている。
しかし本当を言えば、その苦しげな顔には、
喜びの顔よりも魅力がある。
(以下、続く)
佐々木勉 訳

この曲の魅力を一層高めているのは、カウンターテナー歌手として高い評価を受けている実力派、アンドレアス・ショルの名唱である。

演奏時間は、およそ4分

【お薦め盤】
アンドレアス・ショル(CT)、アンドレアス・マルティン(Lu) (ハルモニア・ムンディ)

Schollfolksongs

ダウランドの作品は、また日をあらためて取り上げてみたい。


【追記】
youtubeに演奏が掲載されています。(2009年2月1日加筆)

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