ショスタコーヴィチ ジャズ組曲第2番
現代ロシア(ソビエト)が生んだ偉大な作曲家ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ(1906~1975)は、交響曲や弦楽四重奏曲をはじめ、数多くの優れた作品を残しているが、スターリンをはじめとする社会主義体制下の厳しい時代を生きなければならず、生前中、幾度となく危機にさらされている。
今回ご紹介する曲は、1938年、新設のプロムナード・オーケストラからの依頼により作曲された『ジャズ組曲第2番』である。
曲は全8曲で構成され、いわゆる「ジャズ」ではなく「軽音楽」、特に彼が得意としてきた映画音楽や劇音楽のスタイルでつくられていて、親しみやすく、くつろいだ作曲家の姿を垣間見ることができる名曲である。
特に「第2ワルツ」は、退廃的で哀愁を帯びた曲調が魅力的で、近年、映画「アイズ・ワイズ・シャット」にも使われたこともあってか、広く知られている。もしかすると今、彼の作品中、最も人気のある曲かもしれない。
(僕個人としては、2曲目の「リリック・ワルツ」の方が好みではあるが・・・)
演奏時間は25分ほど
【お薦め盤】
リッカルド・シャイー指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(ロンドン)
【追記】
特に「第2ワルツ」は、youtubeに多くの音源があります。(2009年2月1日加筆)
※この演奏を作曲者が聴いたら、さぞかし喜ぶことでしょう。
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コメント
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ジャズ組曲2番の出だし。なんとモノ哀しいメロディだろう。中盤の優雅なメロディに引き継がれるこのモノ悲しさはロシアの大衆のためにある。これは大衆の為のワルツだ。
投稿: | 2020/12/22 23:37