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2004年9月

2004/09/26

松村禎三 ピアノ協奏曲第2番

戦後の日本を代表する作曲家の一人である松村禎三(まつむら・ていぞう 1929~2007)は、映画音楽の分野では『忍ぶ川』や『龍馬暗殺』をはじめ、多くの仕事を残しているが、純音楽では寡作として知られている。

作風は、作曲の師である伊福部昭の影響を受けつつ、よりアジア的な広がりを感じさせるとともに、生涯にわたってオスティナートの技法に基づく、緻密な音世界の構築を追求し続けた。

Teizomatsumura_2

個人的な思い出として、当時のラジオ番組「百万人の音楽」に数週にわたって出演され、ホスト役の芥川也寸志・野際陽子両氏と、さまざまな音楽談義を繰り広げたことが、今でも深く印象に残っていて、その番組で紹介された『管弦楽のための前奏曲』や『暁の讃歌』などを、後になって買い求めた記憶がある。

1978年作曲された、この『ピアノ協奏曲第2番』も、そのころに聴いた作品で、僕は当時、学生だったが、FM放送をエアチェックしたカセットテープで、この曲を何度も何度も、繰り返し聴いた。

主な聴きどころは次のとおり。

第1楽章 独奏ピアノの執拗な3連音符の連続。クラリネットの高音域で奏される奇妙でありながら魅力的な副主題。ラストの横笛のような音と弦のバルトークピチカートによる印象的な終止。

第2楽章 瞑想のような静けさと突然の爆発。後半、不思議なまどろみのような音楽から、徐々に緊張感が高まり、最後はピアノのオスティナートがもたらす声明のような効果等々。 

現代音楽ではあるが、フォルムが明確であり、全編にただよう東洋的な雰囲気も素晴らしい。矢代秋雄や吉松隆などの作品とともに、現代日本のピアノ協奏曲の傑作として紹介したい。

なお、この作品は第10回サントリー音楽賞と第27回尾高賞を受賞している。

演奏時間は、およそ32分

【お薦め盤】
野島稔(pf)、岩城宏之指揮、東京都交響楽団(カメラータ)

Teizomatsumura

【追記】
死亡年齢を加筆。(2007年8月6日)
※恩師である伊福部昭氏を追うかのように逝去された。合掌・・・。

2004/09/25

ヨハン・シュトラウス2世 ロマンス第2番

オーストリアの作曲家ヨハン・シュトラウス2世(1825~1899)は、「ワルツ王」として世界中にその名を知られるとおり、6歳の時に初めてのワルツを書いて以来、生涯に500曲を超えるワルツを作曲した。また、1844年から独自の楽団を編成し、指揮者兼ヴァイオリニストとしてロシアやアメリカを含むヨーロッパ各地で演奏を行い、ウィンナ・ワルツの全盛時代を築いた。

Johannstrauss_ii_2

現在でも、毎年元旦、ウィーン楽友協会大ホールで開催されるウィーン・フィルの「ニューイヤー・コンサート」では、恒例の『美しく青きドナウ』をはじめ、彼の曲が数多く演奏されている。

今回ご紹介するのは、ワルツやポルカではなく、チェロと管弦楽のための『ロマンス第2番ト短調(作品255a)』である。

この作品は、彼がロシアの鉄道会社との契約で、ロシアのパブロフスクで演奏会を開き成功を収めた後の、1860年から1865年の間に作曲された6曲のロマンスのひとつ。序奏に引き続いて独奏チェロが、喜歌劇『こうもり』の「ロザリンデの嘆き」にも通ずる、哀愁を帯びた印象的なメロディーを朗々と歌う。

彼のメロディーメーカーとしての才能を存分に味わえる、魅力的な佳作である。

演奏時間は約5分

【お薦め盤】
レジーナ・ジャスリン(Vc)、クリスチャン・ポラック指揮、スロバキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団(マルコ・ポーロ)

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【追記】
youtubeにいくつか音源があります。(2010年3月29日加筆、2012年7月8日修正)
※演奏は異なります。


2004/09/19

スヴェンセン  弦楽のための2つのスウェーデン民謡

ノルウェーを代表する作曲家のひとりであり、指揮者やヴァイオリニストとしても活躍したヨハン・スヴェンセン(1840~1911)は、親友のグリーグとともに自国の音楽の発展に尽くした人物である。

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彼は、祖国ノルウェーの民謡風の旋律を巧みに織り交ぜた、情感豊かな曲を数多く残した。
2曲の交響曲をはじめ、交響詩や狂詩曲などが知られるが、とりわけ、独奏ヴァイオリンと弦楽のための『ロマンスト長調(作品26)』は、澄んだ空に高く舞い上がるかのような美しいメロディーが印象的で、多くのヴァイオリニストのレパートリーとして取り上げられている。

さて、今回ご紹介するのは、1876年の『弦楽のための2つのスウェーデン民謡(作品27)』から第1曲「星月夜の下に(天の砦の下なるすべて)」である。短い序奏に続いて第1ヴァイオリンで歌われる旋律は、悲しくもロマンティックで美しく、聴く者の心に迫るものがある。全曲わずか38小節の小品が、かくも人の心を打つとは!ぜひ、お聞きいただきたい名曲である。

なお、第2曲「古き自由な、峰連なる北の国」は、現在、スウェーデン国歌として知られている曲である。

第1曲の演奏時間は、およそ3分

【お薦め盤】
ネーメ・ヤルヴィ指揮、エーテボリ交響楽団(BIS)

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【追記】
演奏は異なりますが、youtubeに演奏が掲載されました。(2010年2月1日加筆)

プーランク オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲

20世紀を代表するフランスの作曲家であるフランシス・プーランク(1899~1963)は、ミヨーやオネゲルらとともに、いわゆる「フランス6人組」の一人として活躍した。

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パリの裕福な家庭に生まれた彼は、母の影響で幼いころからピアノを学び、長じてはケクランに作曲を師事、数多くの芸術家たちと交流し、サロンを中心に活躍することになる。

サティやラヴェルの流れをくみ、古典的な様式の中に、シンプルで美しいメロディを持つ作品を数多く残していて、『哀しみの聖母』や『グローリア』をはじめとする宗教曲、バレエ音楽『牝鹿』や『シンフォニエッタ』などの管弦楽曲、『チェロ・ソナタ』や『フルート・ソナタ』に代表される室内楽曲、ピアノ曲など、非常に多くの傑作がある。

「オルガン協奏曲」とも呼ばれる『オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲ト短調』は、フランス屈指の名門貴族であったエドモン・ド・ポリニャック公妃の依頼により1938年に作曲され、翌年にパリで初演された彼の代表作のひとつである。

全体は7つの部分からなる単一楽章形式であるが、大きく3つの楽章に分かれるという解釈もできる。
まず、バッハの幻想曲のよう導入部に始まり、ドラマティックかつスリリングなアレグロの主部が続く。そして、静謐な美しさが印象的なアンダンテを経て、やがてオルガンと弦楽による華やかな「かけ合い」が始まるが、深刻さや悲愴感が微塵も感じられないところがプーランクの音楽の特徴ともいえよう。そして、冒頭のオルガンの荘厳な響きと弦とティンパニの一撃で曲が閉じられる。

宗教的な雰囲気を持ちながらも、全編にわたり現代的なセンスに彩(いろど)られた名曲である。

演奏時間は、およそ22~23分。

【お薦め盤】
ジリアン・ウィーア(Org)、リチャード・ヒコックス指揮、シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア(Virgin)

Poulenccd


【追記】
多くの音源がyoutubeに掲載されています。(2009年12月1日追記)
※演奏は異なります。

2004/09/18

ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第5番

近代イギリスが生んだ偉大な作曲家のひとり、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872~1958)は、イングランド民謡の採取や宗教音楽の研究を通じて、イギリスの国民楽派ともいえる作風を確立し、数多くの作品を生み出した。
※なお、彼の名前は比較的長いので、略してRVWと書かれることも多い。

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最もよく知られる作品は、おそらく『グリーンスリーヴスによる幻想曲』であろうが、他にも『トーマス・タリスの主題による幻想曲』や『揚げひばり』(原題のThe Lark Ascendingの方が、曲のイメージに近い)など、イギリスの田園風景を思わせるような美しい曲を数多く残している。また、宗教曲や合唱曲にも傑作が多い。

今回、ご紹介するのは『交響曲第5番ニ長調』。
第2次世界大戦の最中、彼が70歳を過ぎた1943年に発表された交響曲である。

第1楽章冒頭、ホルンに導かれたヴァイオリンによって奏される穏やかで美しい民謡風の旋律が、まるでターナーの水彩画のような雰囲気を醸し出す。優しくはあるが、どこか緊張感が漂う音楽である。

特に、第3楽章の「ロマンツァ」は最大の聴きどころで、コール・アングレによる導入部に引き続いて弦楽器で静かに歌われる主題は、人生の喜怒哀楽を知りつくした作曲家の眼差しのように温かく、聴く者の心に深くしみ込んでくる。中間部では、ところどころ金管による鋭いエピソードが挟まれるが、やがて冒頭の主題が、人生の夕映えを写すかのように戻ってくるところは、息が止まるほど美しい。

私事で恐縮だが、この楽章を初めて聴いた時、せきを切ったように涙があふれてきて止まらなかった記憶がある。それ以降、僕にとって最も大切な曲のひとつだが、困ったことに、今でも、この曲を聴くと反射的に涙がにじんでくるため、人前や車の運転時には聴かないよう、気をつけている。

全部で9曲ある彼の交響曲の中では、比較的編成も小さく親しみやすい曲調ゆえか、日本で演奏される機会が最も多い。

演奏時間は、およそ40分

古くはボールトやプレヴィン、近年ではアンドリュー・デイヴィス(いずれも交響曲全集を完成)など、名指揮者による数多くの名録音があるが、ここでは、絹のように柔らかな音色が特徴の、マリナー盤を紹介しておく。

【お薦め盤】
ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団(コリンズ)

Vaughanwilliamscd


【追記】
youtubeに、いくつかの音源が掲載されています。(2009年2月1日加筆、2013年1月2日修正)
※お薦め盤とは異なります。


スクリャービン ピアノソナタ第4番

帝政ロシア期の代表的作曲家であるアレクサンドル・ニコラエヴィチ・スクリャービン(1872~1915)は、生前はラフマニノフとともに、ロシア・ピアニズムの流れをくんだ優れたピアニストとして、世界各地で演奏活動を行った。

Scriabin

モスクワの貴族の家に生まれ、幼少期から優れた音楽の才能を発揮した彼は、モスクワ音楽院でコニュス、タネーエフ、アレンスキーらにピアノや作曲を学び、1891年、同窓のラフマニノフとともに金メダルを得て卒業した。1898年からは、母校のピアノ科教授となる。

作曲家としては、43年の決して長くない生涯に数多くの作品を残したが、そのほとんどがピアノ曲である。
若いころは、ショパンやシューマンら、ロマン派の影響を強く受けた美しく叙情的な作品を数多く作曲したが、モスクワ音楽院教授を辞任した1902年頃から神秘主義に傾倒するようになり、それに伴い、作品も調性や旋律、形式が曖昧かつ自由になっていった。

後年は「神秘和音」と呼ばれる独特の響きを作品に取り入れたり、鍵盤の操作で色の光が映し出される「色光ピアノ」を用いて、聴覚と視覚に訴える芸術作品を試み、さらに演劇・ダンス・音・光・詩・匂いなどによる総合芸術作品『神秘劇』の実現を目指したが、1915年、敗血症のために急逝した。

代表作としては、「法悦の詩」の題名を持つ『交響曲第4番(作品54)』や10曲のピアノソナタなどがあるが、今回取り上げたいのは『ピアノソナタ第4番嬰ヘ長調(作品30)』である。

この作品が作曲された1903年は、彼の人生の転機でもあり、作風もロマン派の影響から脱して、属7や属9といった和音を多用した、彼独自の官能的な音楽が確立される時期に当たる。

2つの楽章からなるが、切れ目なく演奏される。第1楽章アンダンテは、第2楽章の序章とも考えられ、次の『ピアノソナタ第5番(作品53)』以降が、全て単一楽章のソナタになっていることを思えば、その予兆と思えなくもない。

冒頭から、幻想的で美しいテーマに心を奪われるが、やがてヴォランド(翔ぶように)と指示されたプレスティッシモ楽章に突入し、フォルティッシモで冒頭のテーマが再現され、躍動的で輝かしいクライマックスを迎える。

短い中にも、スクリャービンの音楽の魅力がいっぱいに詰まった、大傑作であると思う。

演奏時間は8~9分

【お薦め盤】
ウラディーミル・アシュケナージ(ロンドン)

Scriabincd


【追記】
youtubeにも多くの演奏が掲載されています。(2009年2月1日加筆)
※もちろん演奏は異なります。


2004/09/12

リリ・ブーランジェ  詩篇第24番

パリの音楽一家に生まれたリリ・ブーランジェ(1893~1918)は、生まれながら消化器系に原因不明の障害をかかえていて、医師から長く生きられないことを宣告されていた。

しかし、音楽の才能に恵まれ幼少期から神童ぶりを発揮し、姉のナディアと同様、やがてパリ音楽院に進む。音楽院ではフォーレらに可愛がられ、やがて大きく才能を開花させる。そして1913年には、姉が果たせなかったローマ大賞を受賞した。

Lili_boulanger

魅力的な性格と容姿、そして何よりも敬虔なカトリック信者であった彼女は、その後も病魔と闘いながら、主に宗教曲や室内楽曲の作曲を続ける毎日だったが、1918年、ついに24年の短い生涯を終える。

この『詩篇第24番』は、1916年、彼女が22歳のときの作品で、冒頭から、オルガンを伴った金管群のファンファーレとともに、男声合唱が栄光の王ヤハウェへの賛美を歌う。短い作品ながら、強烈なエネルギーに満ちあふれた輝かしい傑作だと思う。

演奏時間はおおよそ4~5分

【お薦め盤】
ニール・マッケンジー(Ten)、ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮、BBSフィルハーモニー管弦楽団、バーミンガム市交響合唱団(シャンドス)

Psaume24


【追記】
youtubeに、この作品の音源がアップされています。(2009年2月1日加筆)
※彼女の姉、ナディア・ブーランジェ指揮による演奏。

2004/09/05

コルンゴルト ベイビーセレナーデ

エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897~1957)は、幼少期から音楽の才能を開花させ、マーラーやプッチーニ、リヒャルト・シュトラウスなどから驚きと恐怖をもって知られていたが、第2次世界大戦前後、亡命先のアメリカにおいて、ハリウッド映画の音楽を多数手がけたことから、クラシック音楽の世界では長い間、不当な評価を受け続けてきた。

しかし近年、『ヴァイオリン協奏曲ニ長調(作品35)』や劇音楽『空騒ぎ』などが世界中で頻繁に取り上げられるようになり、今や完全に復権を遂げた感がある。

映画音楽作曲家としてではなく、純音楽作曲家として返り咲くことを夢見ながら、生前その願いを果たすことができなかった彼であるが、今の状況を、きっと喜んでいるに違いない。

Korngold

1928年、彼の次男が誕生したことをきっかけに作曲された『ベイビーセレナーデ(作品24)』は、5つの楽章からなるオーケストラ作品で、通常の編成に3つのサクソフォンやバンジョーが加わり、ジャズの要素が採り入れられている。

例えば、第1楽章や第3楽章の巧妙洒脱さや第2楽章や第5楽章のパステル調で描かれる夢見るような世界は、まさに当時、公私ともに絶頂期を迎えていた彼の心境が反映され、弾けるように明るく、ご機嫌な音楽になっている。

演奏時間は約20分

【お薦め盤】
ウェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮、北西ドイツ・フィルハーモニー(CPO)

Korngoldcd


2004/09/04

マルティーノ  セラ・ラ・ルナ(月ありき)

今回ご紹介するマンドリン曲『月ありき』の作曲者であるウムベルト・デ・マルティーノについては、イタリア人であること以外、詳しいことは何も伝わっていない。

1908年、ミラノのマンドリン雑誌「イル・プレットロ」が主催した、第1回マンドリン合奏曲作曲コンクールに入賞した9人の受賞者のうちの一人が、このマルティーノであった。翌年、ベルガモで開催されたマンドリン演奏コンクールで課題曲になってからは、一般に広く演奏されるようになったという。

日本では、原題の「セラ・ラ・ルナ(C'era La Luna)」あるいは、略して「セラルナ」とも呼ばれているが、邦題の「月ありき」 という名前で呼ばれることも多い。

ギターのイントロに続いて、マンドリンによる切なくも美しいセレナードの主題(イ短調)が奏でられる。29小節目から中間部に移り、イタリア民謡風の明るいイ長調のメロディーが登場するが、40小節目からの第2マンドリンに始まる中間部後半が、この曲最大の聴きどころといえよう。

短い作品ながら、マンドリンオーケストラの魅力が堪能できる名曲である。

演奏時間はおよそ4分半

【お薦め盤】
平光保指揮、岐阜シティマンドリン合奏団(VOXEE)

Mandlinecd


【追記】
マンドリン合奏版ではありませんが、こちらのHPにMIDI音源が掲載されています。(2010年12月15日加筆)

ようやくyoutubeにもマンドリン合奏による音源が掲載されました!(2013年3月8日加筆)


バターワース 2つのイギリス田園詩曲

「こんな曲を聴くなんて、こいつは、ひょっとすると三浦淳史のファンだったのか?」

そのような声がクラシック音楽マニアの間から聞こえてきそうであるが、「残念ながら」そのとおりである。
彼のおかげでディーリアスをはじめイギリス音楽に魅了され、どれだけ影響を受けたことか・・・、それは今も変わらない。

さて、本題に入ろう。

近代イギリスの作曲家ジョージ・バターワース(1885~1916)は、ロンドンに生まれ、幼少期より母親から音楽教育を受けたが、弁護士の父親の命令でオックスフォード大学で法律を学ぶ。だが、そこでヴォーン・ウィリアムズと出会い親友となったことで、彼の音楽家としての人生が定まった。

Butterworth

卒業後は、別の大学で教鞭をとるようになるが、第一次世界大戦の勃発により召集命令が下る。彼は作曲の草稿や不本意な作品を、すべて焼却し出征したという。そして、帰らぬ人となる。戦死後、英国政府から陸軍十字勲章が親元に届けられたが、一人息子を失った父は勲章を手にとって泣き崩れたといわれている。

短い生涯に残された作品は少ないが、歌曲集『シュロップシャーの若者』やその主題に基づく狂詩曲は、紛れもない傑作であるし、今回ご紹介する『2つのイギリス田園詩曲』も同様である。

第1番は、弦楽器の伴奏でオーボエが素朴で楽しげな主題を歌い、やがて大きく盛り上がる。どこまでも広がる美しいイギリスの田園風景を彷彿とさせる名作である。

演奏時間はおよそ10分

【お薦め盤】
ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団(ロンドン)

Butterworthcd


【追記】
何とyoutubeに、伝説のカルロス・クライバー&シカゴ響の演奏が掲載されました。これは必聴です!
※「第1番」のみ。

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