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2004/08/06

ディーリアス 春初めてのカッコウを聞いて

イギリス生まれの作曲家フレデリック・ディーリアス(1862~1934)には、室内楽曲や声楽曲をはじめ、多くの優れた作品があるが、僕にとっては、この小管弦楽のために書かれた『春初めてのカッコウを聞いて(英語名:On hearing the first Cuckoo in Spring)』をもって第一としたい。

Delius

私事ではあるが、20年ほど昔、英国を旅行した際、ホルストやヴォーン・ウィリアムスなどの音楽をカセットに録音し持参した。
レンタカーを借りて、イギリスの各地を巡ったことは良き思い出だが、その車の中で流れてきたこの作品が、何と自然や町並みにぴったりだったことか!

まず、冒頭に弦楽器で分奏されるC△7の和音。この「ディーリアス・マジック」と呼ばれる清浄な空気感を思わせる音の響きは、形容しがたいほど素晴らしい。
第1主題は、音の動きは単純だが、強弱が細かく制御されている。続いて、ノルウェー民謡に基づく第2主題が示された後、クラリネットによるカッコウの声が聞こえてくる。
ベートーヴェンやマーラーにも同様の試みがあるが、ディーリアスのものは、遠く森の中から聞こえてくるような遠近感を、より感じさせる。

作品は全編にわたって、清らかで美しい自然とともに、カッコウの鳴き声を聞いた作曲家の心象風景を描き出す。聴いている者の心を穏やかに、そして幸せにさせる美しい音の織物である。

演奏時間はおよそ7分

【お薦め盤】
サー・トーマス・ビーチャム指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(EMI)

Delius_cockoo


【追記】
演奏は異なりますが、youtubeにこの曲が掲載されています。(2010年3月29日加筆)

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