« フォーレ ラシーヌ讃歌 | トップページ | C.P.E.バッハ チェロ協奏曲イ長調 »

2004/08/15

シノーポリ&ウィーン・フィルのシューマン『交響曲第2番』

まったくもって素晴らしい演奏である。

20年以上前、ちょうどCDというフォーマットが出始めのころ。それまでLPレコードを蒐集していた僕は、CDへの興味はそれほどでもなかった。小学校のころからLPに慣れ親しんできた者としては、カセットテープにも似た、小さなプラスチックケース(傷がつきやすい)に入った味気ないものを買う気はなかった。しかも、当時のCDの多くは輸入盤で1枚4千円以上したし、プレーヤーも軒並み10万円以上ではなかったか。

だが、やがて5万円を切る金額でCDプレーヤー(確か日立のローディ製)が登場したことで、さすがの僕も購入する気になり、試しに1枚買ってみようと、いつも通っているレコード店で、特に思い入れもなく購入したCDがこれだった。

聴いてみて、その素晴らしさに心から感動した!
もちろんCDの音もよかったが、何よりその演奏の集中力や熱さに完璧にやられた。それまで、シューマンの交響曲といったら、『春』か『ライン』しか興味がなかった。もちろんこの『第2番』も、何度か聴いたことはあったが、特に感慨はなかった。

Schumann

しかしこの演奏、第1楽章のソステヌート・アッサイの序奏から漂う緊張感。主部に入る前の25小節目から閃光のように刺し込む第1ヴァイオリン。遠心力でぐいぐいと勢いを増し、熱を帯びる音楽(しかし、その熱は青色に見える)。これは主部に入ってからも同様で、一種異常ともいえる緊張感と圧倒的な迫力で、耳を、そして心を釘付けにする。

第2楽章のスケルツォも圧巻である。ヴァイオリンの無窮動感、特にコーダにおける畳み込むような追い込みには唖然として言葉もない。

第3楽章はうって変わって、悲痛なアダージョの歌。この曲を作曲していた当時のシューマンは半ば病気だったというが、まさに彼の心情が反映されている印象。しかし何とも美しい・・・。

第4楽章はモルト・ヴィヴァーチェで、苦難を乗り越えた作曲者の喜びの音楽が、第1楽章冒頭のファンファーレ動機によって高らかに歌われる。

このシノーポリ&ウィーン・フィルの演奏との出会いによって、シューマンの『第2交響曲』は、僕のもっとも愛聴する作品のひとつになるとともに、LPレコードからCDへ、蒐集の対象を替える契機となった。

この録音の登場で、この作品に対する世間の評価が確実に変化した。演奏会や録音を問わず、この曲を取り上げる指揮者たちに与えた影響は計り知れないものがある。作品の評価を覆すほど優れた演奏を届けてくれたシノーポリ、そしてウィーン・フィルに心から敬意を表したいと思う。

【お薦め盤】
シューマン:交響曲第2番
ジュゼッペ・シノーポリ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(グラモフォン)
1983年録音

Schumanncd


« フォーレ ラシーヌ讃歌 | トップページ | C.P.E.バッハ チェロ協奏曲イ長調 »

名盤発見」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46318/50048374

この記事へのトラックバック一覧です: シノーポリ&ウィーン・フィルのシューマン『交響曲第2番』:

« フォーレ ラシーヌ讃歌 | トップページ | C.P.E.バッハ チェロ協奏曲イ長調 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

Twitter

無料ブログはココログ

Amazon ウィジェット

  • ウィジェット