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2004/08/09

エルガー ソスピーリ(ため息)

近代英国の作曲家エドワード・エルガー(1857~1934)は、40歳をすぎるころまでは、小さな都市の音楽教師で、ほとんど注目されなかったが、行進曲『威風堂々第1番』をはじめとした作品により、国民的作曲家としての地位を確立し、1904年、国王エドワード7世からナイトに叙される。

Elgar

作曲家として絶頂期を迎えていた1913年に英国のレコード会社グラモフォンから、録音用のための小品の作曲を依頼される。そして翌年に完成したのが、この『ソスピーリ』という作品である。

作曲当時は、世界大戦の直前であり、どちらかといえば戦意高揚の音楽が求められていたであろう時期に、エルガーは、ある種、真逆ともとれる荘厳で沈痛な曲調の曲をつくった。ソスピーリとは、イタリア語で「ため息」という意味で、当初の計画では、フランス語の「愛のため息」という題名になる予定だったらしい。

作曲中には、楽譜に「不在」という仮題を記していたとも伝わることから、作曲中に何か、彼の心に悲しい出来事が起こったのではと推測される。それは忍び寄る戦争の予感なのか、親しい人の死なのか。いずれにせよこの曲は、終始、ハープ、オルガンを伴った弦楽合奏により、内省的で痛切な歌が奏でられる。しかしそれは、とてつもなく深く美しい。

演奏時間は約5分

【お薦め盤】
ジェフリー・テイト指揮 ロンドン交響楽団(EMI)

Elgarsospiri


【追記】
youtubeに動画がアップされていましたので、ぜひご覧ください。※演奏は異なります。(2009年12月5日加筆)


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